安倍首相、現金「1人10万円」に心変わりした事情

二階氏、公明党の離反に揺らぐ「安倍1強」

緊急事態宣言を発令した安倍晋三首相。写真は4月7日の記者会見(代表撮影/ロイター/アフロ)

安倍晋三首相は4月16日、緊急事態宣言の対象を全国に拡大するとともに、「困窮世帯に30万円」としていた現金給付を「全国民一律1人10万円」に大転換した。

政府の一連のコロナ対策への国民からの批判の拡大と、内閣不支持率の急増が背景にあるとみられるが、浮足立ったトップリーダーの右往左往ぶりに、国民の間からも「もはやアベノリスクだ」との厳しい声も出始めた。

目立つ政府首脳の狼狽と迷走

全国緊急事態宣言や一律10万円は、国内での感染拡大が始まった段階から、各界各層で要望の声が相次いでいた。このため、「全国宣言は遅すぎ」「給付金変更は究極の場当たり」などという批判が広がった。

安倍首相と政府与党幹部による「遭遇戦のような緊急協議」(自民幹部)が本格化したのは、4月7日の緊急事態宣言発令から9日目の16日午前のこと。政府は16日夕から専門家会議への諮問や国会などを経て、緊急事態宣言の全国への拡大と一律10万円給付への方針転換を相次いで正式決定した。「まさにドタバタ劇の連続」(政府筋)で、その間の政府首脳らの狼狽ぶりや迷走も際立った。

中でも最大のサプライズは、国民1人あたり一律で10万円を配るという決定だ。7日に閣議決定した108兆円の超大型経済対策の中で、最大の目玉となる現金給付方式を大転換した。これに伴い、極めて異例な補正予算案の組み替えに、野党は「前代未聞で空前絶後」(国民民主)、「それだけで内閣総辞職に値する」(共産)と口をそろえて非難。与党内からも「とうとう首相が判断ミスを認めた」(公明幹部)との指摘が相次いだ。

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