コロナ禍で明暗「留学終了」高校生の過酷な現状

電話もつながらず放り出されるケースも

留学中の高校生に明暗が生まれてしまっています。いったいその理由は?(写真:CORA / PIXTA)

海外で活躍する若者を増やそうと、令和4年度に日本人高校生の海外留学を6万人にする目標を掲げ、国を挙げて後押ししてきた日本。文部科学省の「トビタテ! 留学JAPANプログラム」などの活動もあり、昨年8月には高校生の留学者数は4万7千人(文部科学省公表)となり、過去最高を記録した。

ところが新型コロナウイルスが猛威を振るう中、急遽帰国になるなど、留学が不本意な形で中断されるケースが多数出ている。休校や帰国はやむをえないとしても、問題は、突然の帰国で現地での成績証明が取得できなかったり、留学エージェントに対処してもらえなかったり、十分なフォローもなく放り出されるケースが出ていることだ。

1年間在学の認定が取れない…?

「チケットが取れ次第、帰国になります」

3月下旬の夜、高校3年生の中田陽菜さん(仮名)のアメリカ留学生活は、1本の電話で突然の打ち切りが決まった。

昨年8月に渡米して、テネシー州の学校に入学。現地のスクールイヤーの終わりにあたる6月まで滞在し、1学年分の学びを終えて帰国予定だったが、現地のエージェントから日本の家族に入った電話で、計画は一変した。

「娘は気持ちの整理がつかず、帰国後も引きずっています。こんな状況なので仕方がないのですが、問題は今後です。単なる交流が目的ではなく、現地で単位を取るために渡米していたのですが……」と嘆くのは母親の涼子さん(仮名)。

今回の突然の打ち切りにより、留学先での「単位取得」と「成績証明の発行」が危ぶまれているというのだ。

陽菜さんは、日本で通う私立中高一貫校のプログラムの一環として留学していた。英語科に通っており、クラス全員が1年間の留学をすることになっている。

派遣先は本人の希望により決めることができ、カナダに行った生徒もいる。だが、留学の手続きや現地校とのやりとりなど実務は、すべて学校から委託を受けた留学エージェントが請け負っていた。

驚いたのは、帰国した時点で「留学終了」の扱いになると言われたことだ。

「アメリカでも休校が続いていましたが、現地校が用意したオンライン講座を受けていました。ところが、帰国と同時に現地校の生徒ではなくなると言われ、これも受けられなくなったんです」(涼子さん)。

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