転職者を受け入れる企業の抵抗感が薄れてきた
転職者を受け入れる企業側も、柔軟に変わってきた。一昔前までは、給与体系や人事制度の面から転職者を受け入れにくく、転職者の給与だけ高い、あるいは転職者に自社の年下の上司がつくといったことに、企業側の抵抗感が強かった。また、転職者側にも抵抗感があった。それがこの10年間で年功序列や終身雇用が崩れていき、大企業も中途採用をするようになってきたので、両者の抵抗感が薄れてきたのだ。
「一昔前に比べると、50代の方もいい転職を実現されているケースが多いと実感する」と、森本さんは語る。終身雇用が当たり前で、定年まで勤め上げるつもりだった50代は、転職をポジティブにとらえていなかったが、ここ数年、大手家電メーカーが大幅にリストラしているのを目の当たりにして、そうなる前に、自分らしく働けるところに転職しておこうと考えるようになった。
とはいえ、今の会社の規模より小さい規模の会社へ転職するケースが大半だ。となると年収は下がる傾向がある。年収との折り合いのつけ方は、年代によって変わってくるという。
「30代はまだ子どもが小さいので、教育費はそれほどかからないが、40代は高校受験や大学受験があり、塾代もかかるので、年収に対して妥協しにくい。これが50代になると、子どもの卒業や独立が見込め、家のローンも完済のめどが立つので、多少、年収が下がっても生活していける。だから年収との折り合いをつけやすい」 (森本さん)。
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