「生理前の不調」で学校生活に苦しんだ女性

受験勉強中に自傷行為に走ってしまうことも

PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)は大人だけのものではありません(写真:Fast&Slow/PIXTA)

現在18歳の金森すずさん(仮名)は、中学生の頃から精神的に不安定になるときがあり、そのことを人から指摘されることがあった。また、頭痛になることや、理由もなく学校へ行くのがつらいと感じることもあったが、とくに対処しないまま高校生になった。しかし高校2年生の冬。バレーボール部の大きな大会に出場した金森さんは、普段なら動じない局面でミスを連発。揚げ句、大号泣し、過呼吸まで起こしてしまう。

「そのときは何が原因なのかまったく思い当たることはなく、戸惑いました。ただ、絶対に外せない大きな大会だったため、自分の体調管理は徹底していたので、大会直後に生理がくることは把握していました。しかしこの頃の私は、生理前に出現する病気があることを知らなかったんです」

バイエル薬品が制作し、婦人科などで配布している冊子(『生理前カラダの調子やココロの状態が揺らぐ方へ PMS 月経前症候群』監修 田坂慶一)によると、約74%の女性が、月経前や月経中に身体や心の不調(月経随伴症状)を抱えているという。

月経随伴症状とは、月経前はPMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)、月経中は月経困難症と呼ばれる症状だが、日本ではまだあまり知られていない印象だ。しかし、ホルモンバランスの変化により、精神状態や体調が変化することに気づき、悩んでいる女性は少なくない。そこで、実際にPMSやPMDDに苦しむ女性の事例を紹介することで、PMSやPMDDについての理解を社会に広められたらと思う。

「自分は何かおかしいのではないか?」

大会後しばらくすると、今度は通学の電車内で過呼吸を起こし、それと同時にとてつもない不安感に襲われ、1週間以上学校を休んでしまう。

金森さんが最もつらいのは不安感。例えば、「私はものすごく醜いのでは?」「遠くで誰かがしているヒソヒソ話は自分の悪口なのでは?」「外に出るのは危険なのでは?」など。もっとひどいときには、「自分はもう死ぬのではないか?」「自分は大病なのでは?」などと、物事を大きく捉えすぎて不安に襲われることが多い。金森さんはわらにもすがる思いで自己啓発本を読み漁ったが、その思考のプロセスを変えることはできなかった。

「不安感には抽象的なものもあって、何だかわからないけどただただ怖くて、今この状況から逃げ出したい……と思ってしまいますし、自分に価値を見いだせなくなることもあります。『何のために生きてるのか?』『自分は生きていていいのか?』など、考えても意味のないことをひたすらに考えてしまうんです」

不安や恐怖、自分に価値を見いだせないことは、希死念慮につながることもあった。「消えたい」「死にたい」というようなことを考えてしまい、自己嫌悪に陥ることも少なくない。こういった精神症状が身体や生活に影響を及ぼし、「起き上がるのがつらい」「お風呂に入るのが困難」など、多くの障害を引き起こした。

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