「生理前の不調」で学校生活に苦しんだ女性 受験勉強中に自傷行為に走ってしまうことも
高校の担任の先生には、PMS・PMDDと診断されていることを打ち明け、症状が重いときは欠席してしまうことを伝えていたにもかかわらず、「出席率が下がるとセンターの点が下がる統計がある」などと言ってプレッシャーをかけてきた。
「担任は、精神疾患への理解がなく、私が飲んだ薬について踏み込んで聞いてきては、『見た目は丈夫そう』とか、『本当はウソついてるんじゃないのか?』と笑いました。精神疾患は風邪と同様、誰でも罹ってしまうものです。『私は休みたくて休んでいるわけじゃない!』と何度も叫びたくなりました」
「実はPMDDではなくてコロナなのではないか?」
PMDDの症状に悩まされながらも、金森さんは無事、大学に合格。
「PMSやPMDDに関わりつつ社会学や心理学を学ぶ道に進むことや、心理療法士になることなども考えましたが、私は人からの影響を受けやすく、現在の状態で学んでも自分を傷つけてしまうだけなのではないかという恐怖があり、避けました。PMS・PMDDだけが私のすべてじゃないので、小学生の頃から志していた道を進みます」
金森さんは漢方で症状を和らげ、気分がいいときには買い物や外出でリフレッシュしていた。
「自分の症状と、それが出る時期を把握するために、基礎体温の測定や日記をつけることが有効でした。最もつらい時期は『ストレスをためやすいことはしない』とか、『無理な計画を立てない』とか対策することで、症状を抑えることができます。もちろん、不規則な生活やバランスの悪い食事、運動不足は症状の悪化につながるので、改善すべきだと思います。でも、改善できないからといって、自分を責めないようにしています」
PMS・PMDDの女性は生理前、必要以上に自分を責める傾向があるので、PMS・PMDD期間中は、自分を甘やかすくらいがちょうどいいのかもしれない。
ところが、せっかく苦労して合格した大学に、一度も通えずにいる。
「外出自粛のため気軽に出歩けないので、家に閉じこもっていると気分が安定せず、生理周期が乱れ始めました。主治医に相談したくても、産婦人科は妊婦さんや赤ちゃんがいるところなので、行くのを控えています。私はもともと、『実はPMDDではなくて何か別の大病なのではないか?』と疑う癖があるのですが、最近は頭痛や微熱が続いたりすると、『自分はコロナじゃないのか?』と思えてきてビクビクしています」
漢方薬はあまり効果がなく、抗うつ剤は合わなかった金森さんは、最終的にピルを検討。両親を説得し続け、この春ようやく認めてもらった。
「私はPMDDがひどいとき、情報の処理に時間がかかり、言われたことへの理解と自分の考えを表す返答にもたついて、会話もうまくできなくなります。そんなときは、1人にしてほしいと思うと同時に、何をしてしまうかわからないから、見張っていてほしいとも思います。近くにいてほしいけど、話しかけないでほしい……。私には弟が2人いますが、両親も弟も私を特別扱いしません。でも、それが心強いです」
現在、新型コロナウイルスの影響により、生理前になると精神的に不安定になる女性は少なくないだろう。そんな人は、天気のいい日に散歩へ出かけてみてはどうだろうか。人が多い場所は避け、緑がある場所や水辺などを歩くくらいなら問題はないはずだ。
また、例えば希死念慮が消えるのなら、時には大好きなスイーツを買いに行ってもいいのではないだろうか。もちろんマスクをして、目的を果たしたらすぐに帰宅し、しっかり手洗い・うがいをするならば。
現在のような状況がいつまで続くかわからないが、わからないからこそ長期戦の構えで、自身の精神状態を第一に考え、上手に気分転換をして乗り切ってほしい。
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