「生理前の不調」で学校生活に苦しんだ女性

受験勉強中に自傷行為に走ってしまうことも

やがて金森さんは「自分は何かおかしいのではないか?」と思い、調べ始める。ネットや本から得た知識から自分の症状を照らし合わせると、うつ病など心療内科系統の病気を疑う。しかし両親に「心療内科に行きたい」と言うことを躊躇した。

再び学校へ行き始めたところ、友達が漢方薬を飲み始めている。理由を聞くと、「生理のときに不安になるから」と教えてくれた。

「初めて生理が精神に影響を与えるということを知り、驚きました。思い返してみると、今までの不安感や頭痛などの症状がすべて、生理前に出ていたんです。自分の周期とぴったり一致していました」

これをきっかけにPMS・PMDDという言葉を知り、母親に「生理に関して不安なことがあるから婦人科に行きたい」と悩みを打ち明けた。

受験勉強中に自傷行為に走ることも

母親に悩みを打ち明けたものの、理解してくれるまで数カ月かかった。高校3年生になった頃、ようやく産婦人科へ連れて行ってもらうと、PMS・PMDDと診断。医師からはピルの飲用や心療内科の受診を進められたが、両親に反対されかなわず。代わりに漢方薬の加味逍遙散などを処方されたが、「1カ月飲んでも3割症状が改善されるかどうかくらいの効果しかない」と言われ、実際、少し症状が和らぐ程度だった。

その後、別の産婦人科に通い始め、積極的な治療を勧められる。抗不安薬を処方されたが、かなり眠くなるため受験生の金森さんには向かず、逆に不安症状が悪化した。

「私は眠さにあらがえない自分に嫌悪感を抱き、症状を悪化させました。頭痛薬を飲みすぎてしまったり、カフェインを摂りすぎてしまったり、自身を殴る、爪を剥がす、髪を抜く、自身を引っかくなどをしていました。何度も自殺を考えて、電車のホームをのぞき込んだり、ひもになるものを必死に探したりしていることもありました」

最初の医師も次の医師も、産婦人科では限界があるため心療内科を勧めたが、金森さんの両親には「精神科への通院歴を作ってほしくない」という考えがあったようだ。

ピルについては、大切な人を血栓症で亡くした経験から両親は反対していた。ピル(低用量ピル)の副作用として、血管内に血栓がつくられ、血流が閉塞してしまう血栓症がある。血栓症は、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓などに代表され、命を奪うこともある危険な病気だ。金森さん自身も副作用を恐れていて、「ピルを試してみたい」とは強く言えなかった。

しかし受験生にとって、集中力の低下は最も憎むべき問題だった。症状が重いときは、人との会話がスムーズに進まないだけでなく、模試を受けるタイミングにより、国語の平均点は50点前後の差が開き、財布や携帯などを失くしてしまうこともあった。また、寝すぎてしまうことや、逆に眠れないことなど、日によって睡眠に大きく変化があるため、体調が安定しない。頭痛や腰痛など、痛みとして現れることが多々あり、下痢と便秘を繰り返すことも少なくなかった。

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