就活日程激変でも企業は「内定サイン」を送る これまでは「6月1日に来て」が王道だったが…

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企業が最も意識している採用スケジュールは「3月、6月」だ。3月1日に採用広報がスタートし、6月1日に採用選考が解禁される。実際には、前年のサマーインターンシップから広報をスタートしている企業は多く、面接も3月から4月にかけて実施する企業が多い。それでも、「3月、6月」が正式スケジュールとして意識されてきた。

正式な会社説明会は3月1日以降に実施されたし、面接を4~5月に行ったとしても、口頭で「内定」とはっきり伝えるのは6月1日以降にしている企業が多かった。

本調査は、2020年卒学生を対象にしているので、「6月1日」というサインが極めて多く、どの大学ランクでも目立つ。ただ、現在の採用活動状況を見る限り、今年はこの言葉を使用する企業はほとんどなくなるだろう。あくまでも昨年の例として捉えてほしい。

「『6月1日に最終面接をするけど、特に心配しなくても大丈夫だよ』と人事の人に言われた」(文系・旧帝大クラス)

「面接はこれでおしまいです。6月1日空けておいてくださいと言われる」(文系・上位国公立大)

「6月1日に来てくれ、と言われたこと」(文系・中堅私立大)

2021年卒採用はどうなる?

ただし「6月1日」という文句は2021年卒採用では激減するだろう。冒頭に述べたように、今年の採用戦線は最初からつまずいているからだ。3月のリクナビ、マイナビなどの合同企業説明会はすべて中止、個別企業説明会も実施していない企業が多い。

3月下旬段階で8割以上の企業が「1カ月以上」のスケジュール遅延を明言しており、4月初めには5月6日まであらゆる活動を自粛する緊急事態宣言が発出され、オンライン面接を実施する企業はあるものの、東京などでは対面での面接はほとんど実施されていない。

事態が少々落ち着いても、採用プログラムは変化する可能性が高い。現在の状況が半年、1年と続けばどの企業でも事業計画を大きく変えざるをえない。とすると、新卒採用についても見直しが必要になる。このように考えると、2021卒採用は例年の動きとまったく異なるものになるはずだ。

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