(3)マスク
マスクの状況も同様だ。
これも今年1月下旬に販売量のピークを迎えて、それ以降、旺盛な需要に供給が追いついていない。マスクはそもそも約60億枚の年間需要がある。そのほとんどが中国からの輸入だった。その中国製マスクが入ってきていない。中国が、自国の需要を優先して振り向けたからだ。
現在、国内のマスクメーカーが増産して、異業種からの参入も相次いでいる。さらには、政府が世帯に2枚のマスク配布を決めた。政府は月間6億枚のマスク供給を約束している(なお、この6億枚という数字の厳密さは必要ではない)。
爆発的に増えた需要に対して供給量が全然足らない
それでも、いまだにドラッグストアではマスクの品切れが生じている。概算で、かつて月間5億枚のマスクが必要だったとする(60億枚÷12カ月)。そして現在では、その5倍の需要があるとする。これは2020年1月下旬のマスク販売数が、昨年ピークの約5倍だったことによる。ただし、実際はもっと需要量は多いだろう。あくまで仮定として、控えめな数字を採用した。
需要が5倍とすれば月間25億枚だ。全国民が1カ月に20枚ほど使う計算になる。そうすると、6億枚でも供給量としては足らない。卸売業者の中には通常の10倍を超える需要が発生しているとの見方もあるようだ。実際に、私は今年2月の時点で、4月になってもマスク不足は続くのではないか、とテレビ番組で予想したが、その不幸な予想は当たってしまっている。
とはいえ、日本のドラッグストアを責めるだけではなく、最後に称賛もしておきたい。ドラッグストアの販売単価についてだ。True Dataのデータベース「ドルフィンアイ」を使って調べてみた。グラフ化したのでそれぞれ見てみよう。
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