スタバが「過半数休業」コロナ対策に見えた本質 「来店客と従業員の安心」社会的責任の重さ

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一方、本社スタッフは2月中旬から「役員を含めて出張取りやめ」を実施。仕事柄、さまざまな企業とやりとりをするが、多くの大手企業よりも早い危機対応だった。

3月2日の「コロナ対策」発表後、筆者は3月上旬と中旬に、東京都内の同じ店を「定点観測」した。マスクを着用した一般客として訪問し、注文を受け取った後は、テラス席に移り、店の内外でお客の状況を観察してみた。

3月上旬、すでに周辺を歩く人の姿は少なかったが、店は室内もテラス部分も満席。注文時にやりとりした男性店員はこう話した。

「マスク姿で接客するのは、こんな時期だからとお客様にはご理解いただいているようです。ただ、こちらの顔も半分隠れてしまい、接客するときの表情が伝わらない。それでも誠意を込めて対応したいですね」

飲食提供や雇用維持の観点もあるが

「コーヒーを通じて、ほっとしたひとときをお客様にお届けする」方針を続けながら、日本国内の感染拡大が広がるにつれ、「ソーシャル・ディスタンス」(人と人の距離を空ける)を掲げ、店内の座席数を調整し、コロナ対策を強化した。

「企業の社会的責任」という言葉がある。2000年代から認識されるようになり、自社の売り上げや利益だけでなく、地域社会や環境への対応を含めた「社会との共生」を目指す活動だ。カフェの場合、近隣の労働者や住民への飲食提供の役割も担う。店の運営を多くの非正規労働者に頼る店は、パートやアルバイトなどの雇用を維持し、収入も保証したい。

大手4社の対応が分かれたのも、この解釈の差といえる。店舗数が多いスターバックスは「コロナ感染拡大防止」「来店客と従業員の安心」をより重視し、「過半数の店の休業」というカードを切ったのだ。

企業体の視点では、スタバを筆頭にする大手4社は、零細企業よりは余力がある。

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