ついにジャンク債まで購入するFRBの危機感

フォールン・エンジェルの急増に先手打つ

ジャンク債の購入を決定したFRBに対し、市場では評価する声もある(写真:ロイター/Joshua Roberts)

アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が、ついに「ジャンク債(投資不適格の社債)」まで買い入れることを決断した。

4月9日、FRBは最大2.3兆ドル(約250兆円)に上る新たな緊急資金供給策を発表。その柱の1つとして、信用格付けが投機的水準のジャンク級に下がった社債まで購入することを盛り込んだ。

具体的には、3月22日まで投資適格(トリプルB格以上)だった社債であれば、その後に新型コロナショックの影響などでジャンク級に格下げとなっても、「ダブルB格」までなら買い入れの対象とする。発行市場、流通市場の両方から買い取る。また、流通市場から投資不適格社債を一部含む社債ETF(上場投資信託)を購入するほか、新発のシンジケートローンも社債と同じ条件でダブルB格までなら買い取り対象とする。

「堕天使」急増に危機感抱いたFRB

FRBはすでに3月23日から投資適格債に限定して社債の買い入れは始めているが、よりハイリスクなものにも範囲を広げて規模を拡大する形。社債の買い入れ自体、2008年の金融危機時にもなかった初めての策であり、なりふり構わずの対応といえる。トリプルA格の既発CMBS(商業用不動産ローン担保証券)や新発のCLO(ローン担保証券)を担保とした資金供給策も取り入れられた。こうしたFRBの投融資には、米財務省による一定の損失補填保証が付けられている。

FRBがジャンク債まで買い入れ対象とした背景には、新型コロナショックを受けた社債市場の混乱がある。感染封じ込め策の強化に伴う経済失速で、企業の信用不安が増大しているためだ。それにアメリカでは近年、ハイイールド債務(債券、ローン)やCLOが「バブル」と言われるまでに大きく膨張していた。

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