世界的に感染が拡大する新型コロナウイルス、年初以降の原油価格急落など、企業を取り巻く環境に激震が走っている。こうした影響によって、2月以降、業績予想の下方修正を発表する企業が相次いでいる。
中国の湖北省武漢で2019年末に感染が確認された新型コロナは、その後数カ月という短期間で世界中へと急拡大。多くの日本企業も、中国や欧米などでの工場の生産停止や需要減、訪日客の急減、国内での感染拡大防止のための外出自粛などを受け、従来計画の大幅見直しを余儀なくされているのが実態だ。
また、年初に1バレル60ドル台で推移していたWTI原油先物価格は、新型コロナの影響による需要減に加え、サウジアラビアとロシアの価格競争による供給過剰で3月に一時20ドル割れと急落。4月1日にはアメリカでシェールオイル開発・生産のホワイティング・ペトロリアム社が連邦破産法第11条の適用申請に追い込まれた。翌2日は主要産油国の減産合意への観測から、原油価格はやや反発したものの、原油価格急落の波紋は各所に及んでいる。
原油価格急落で元売り大手が営業赤字転落
そこで今回、2月1日から3月31日までの期間に発表された、会社計画の下方修正を集計。営業利益の減額幅が大きい企業をランキングした。
営業利益の下方修正の額が最も大きかったのは、国内原油元売り最大手のJXTGホールディングスで4900億円だ。当初計画では2020年3月期に2800億円の営業益を見込んでいたが、一転して2100億円の営業赤字に転落すると3月26日に発表した。原油価格の急落を受け、原油や石油製品等で巨額の在庫評価損失が発生する見込みとなるほか、国内外の石油・石油化学製品需要が急減していることも、営業益を大きく押し下げる要因となっている。
原油関連では、同様に在庫評価減や石油製品市況の下落で営業益を595億円減額した、コスモエネルギーホールディングスも3位に入った。
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