MacBookが世界中同じ角度で展示される深い訳

背景には行動経済学の視点がある

一般的に、ビジネスパーソンは理性やロジックに訴えかけますが、消費者は理性で購入はしていません。本人は論理的に考えて選んでいるつもりでも、無意識レベルでさまざまな情報に影響されています。

そこで、無意識レベルに影響を与える、感性やハートに訴えかける届け方が重要になります。

「こう思う」から「もう知っている」へ

「I think(こう思います)」から「I know(もう知っています)」へ

プロダクトを市場に投入する際に、理想的な状態を指してこのように言います。

プロダクトを実際に市場に出すまでは、通常であれば、どれだけ精緻に計画を立てても「こうなるだろう」「こうなるといいな」という推測の域を出ない状態が続きます。しかし、実際に市場投入前に、市場との対話を通した“実験モデル”を作成・実施することで、プロダクトやサービスが実際にマーケットからどのような評価を受けるのかを把握することができるというものです。

「実験モデル」というと難しく聞こえますが、プロダクトやサービスの中で「不確実性の高いこと」を洗い出し、それらをプロトタイプを使いながら、正式ローンチ前に実際の想定顧客にフィードバックをもらう方法のことを言います。

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例えば、商品の訴求ポイントに迷いがあれば、キャッチコピーのパターンを洗い出したうえで、複数のポスターを作って反応をみることができます。製品パッケージに迷いがあるのでれば、複数パターンのパッケージを作ったうえで、それに対して想定顧客にフィードバックをもらいます。もちろん、この段階では、必ずしも完成品である必要はありません。

プロダクトなら3Dプリンターでプロトタイプをつくったり、1つだけ完成品に近いものをつくって、ユーザーに試してもらいます。アプリなら試作品の段階で試してもらい、サービスのような形にできないものなら、イメージ写真などを使ったプレゼンで代替できます。

市場に出してみて、問題点がわかったら修正する。それを何回か繰り返したのちに、晴れて製品化という話になれば、その製品がどれぐらい売れるのかの予測もつきます。

これからは「We think」に時間をかけるのではなく、どれだけ早く「We know」に達することができるかがプロジェクトの成否にかかっています。

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