映画「コンテイジョン」が今ヒットする理由 描かれているのはまさに「新型コロナ」だ!

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そんな中、動き出したのがアメリカ疾病対策センター(CDC)のエリス・チーヴァー博士(ローレンス・フィッシュバーン)。クラスターを確定させるために感染症調査官のエリン(ケイト・ウィンスレット)を感染地区に送り込みます。

ケイト・ウィンスレットはCDCの感染症調査官役(写真:Warner Bros. Entertainment Inc.)

また世界保健機関(WHO)ではスタッフで医師のレオノーラ(マリオン・コティヤール)が香港でウイルスの起源を突き止めようとします。

次々と医療現場最前線で戦う登場人物が増えていく中、世の中の混乱をあおる役割として過激派ブロガー、アラン(ジュード・ロウ)が現れます。ネットを通じて、政府批判や陰謀論を拡散、それに惑わされた人々はパニック状態。社会が崩壊していくことが最も恐ろしいことである、そんなメッセージが伝わってきます。

監督はアカデミー賞受賞監督のスティーブン・ソダーバーグ。日本でもよく知られる俳優陣がそろい、老若男女を問わずターゲット層が広いパニック・スリラーものですが、2011年公開当時の日本の興行成績は5億円にも満たない結果。

ダスティン・ホフマン主演で1995年に公開された『アウトブレイク』や、同じ年に公開されたテリー・ギリアム監督『12モンキーズ』といった「ウイルス拡散」をテーマに大ヒットした作品もありますが、それらと比べると『コンテイジョン』は医療現場の現実により焦点を当てたかたち。地味な印象の映画と言われがちだったのかもしれません。

でもそんな映画が今、日の目を見ることになった理由は皮肉にも世界が直面している危機と重ね合わせることができるほどのリアリズム作品だったからなのです。

マット・デイモンらがコロナ対策を呼びかけている

マット・デイモンら出演者陣が新型コロナウイルス対策を呼びかける新たなメッセージビデオがYouTube上で3月末から公開され、さらに話題を集めています。「コンテイジョンは映画だったが、コロナウイルスは現実だ」と前置きながら、マット・デイモンは感染リスクを抑える「ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)」を啓蒙しています。

「他人と約1.8メートルの距離を取る、グループで集まらない、部屋の中にいることがいかに今、命を救うことにつながる」と強調しました。まさに映画の中で演じたシーンとも結びつく行動です。

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