サン電子の総会前に直言!「物言う株主」の本音 オアシスCEO「我々はエンゲージメント株主」

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――会社が取締役候補として提案している辻野晃一郎さんはソニーの出身で、グーグル日本法人の社長も経験しています。赤字部門の立て直しの経験もあり、外部の評価も高い。オアシスが反対する理由は?

辻野さんについて私は詳しくは知らない。彼とお会いする機会がなかった。コメントは差し控える。

――仮にオアシスがプロキシーファイトに勝利し、取締役候補が実際に取締役に就任したら、サン電子のマネジメントをどのように変えていくつもりなのでしょうか。

すでに会社には、具体的かつ精緻な経営計画「100日プラン」を提出している。損失を減らし、純利益を上げるための細かいオペレーションを記している。また、事業を成長させるために必要な人材の新規採用についても予定している。4月8日にわれわれの提案が可決されたら、その瞬間から動き始めるプログラムだ。

――現在、サン電子株はどのくらい保有しているのでしょうか。

公開しているのは9.21%だ。

会社をベターに、よりよくしていく

――仮に今回のプロキシーファイトで勝ったら日本での成功は何件目か。貴社はプロキシーファイトで勝つことが少なく「何をもって成功と考えているのかわかりにくい」という指摘もあります。

成功事例はたくさんある。私たちの活動を単純な「成功か失敗か」のディールと捉えられてしまうことにはやや違和感がある。

われわれはアクティビストではなく「エンゲージメント株主」だ。会社の経営者に会いにいったり事業改善の策を考えて提出したり、場合によってはサン電子のように取締役の交代を求める。オペレーションの改善やマージンの改善などは会社と膝をつき合わせて議論をしている。

ただ、その中で株主としてどうしても我慢ができないときにはプロキシーといった状況にもなりえる。プロキシーの部分が目立ってしまうために「プロキシーファイトばかり仕掛けるアクティビスト」と見られてしまうことが往々にしてあるが、大半はエンゲージメントに力を注いでおり、それらは公開されていない。どこまでも会社をベターに、よりよくしていくことが活動の趣旨だ。そこを理解してほしい。

田島 靖久 東洋経済 記者

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たじま やすひさ / Yasuhisa Tajima

週刊東洋経済副編集長。大学卒業後、放送局に入社。記者として事件取材を担当後、出版社に入社。経済誌で流通、商社、銀行、不動産などを担当する傍ら特集制作に携わる。2020年11月に東洋経済新報社に入社、週刊東洋経済副編集長、報道部長を経て23年4月から現職。

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野中 大樹 東洋経済 記者

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のなか だいき / Daiki Nonaka

熊本県生まれ。週刊誌記者を経て2018年に東洋経済新報社入社。週刊東洋経済編集部。

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