キリン幹部が語った「物言う株主」への猛反論 横田CFO「ビールだけでは生き残れない」

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キリンの成長戦略に、イギリスの投資ファンドが反対を表明し、株主提案を行った(編集部撮影)
3月27日の株主総会を前に、キリンホールディングス(HD)が揺れている。食から医薬などの分野へ事業の多角化を目指す同社の成長戦略に対し、株主であるイギリス投資ファンドのインディペンデント・フランチャイズ・パートナーズ(IFP)が大々的に反対する意思を表明し、株主提案を行ったのだ。
IFPの提案は大きく2点。1つは、多角化の一環で進める医薬事業や、2019年資本提携を結んだ化粧品大手・ファンケルの保有株などを売却し、ビール事業に集中すること。また、その売却資金を元に、6000億円を上限とする自己株取得を行うこと。そしてもう1つは、ガバナンス強化のためにIFPが推薦する社外取締役を2人選任し、取締役のインセンティブ報酬の比重を増やすことだ。
IFPの主張にどう向き合うのか。キリンHDのCFO(最高財務責任者)を務める横田乃里也・取締役常務執行役員を直撃した。

彼らの言動はかなり極端

――IFPからの提案をどう受け止めていますか。

IFPは長らくキリンHDの株主なので、定期的に面談を行ってきた。今回の要求がある前からコミュニケーションをとり、事業戦略を理解いただくことに努めてきた。にもかかわらず、今回、株主提案を受けた。彼らの言動はかなり極端で、誤解を招く内容もある。私どもとしては非常に残念に思っている。

当社では2015年に磯崎功典が社長兼CEO(最高経営責任者)に就き、そこから構造改革に努めてきた。当初はその内容を、IFPも評価していた。収益性を改善させ、増配や自社株買いも2018年12月期から2期連続で1000億円ずつ行った。日本の食品メーカーでは高いレベルの株主還元だ。

ただIFPは確かに、当初から医薬事業については反対していた。(多角化戦略をより明確化した)長期経営計画のキリングループ・ビジョン2027(略称・KV2027)を2019年に発表してから、互いの見解がすれ違った状態が続いている。

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