コロナで医療崩壊しかねない日本の医療の弱点 日本の入院日数はOECD平均よりなぜ長いのか

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ヨーロッパでは病院に感染者が押し寄せ、医療崩壊が起きた。写真はスペイン・マドリードの臨時医療施設の風景(写真:AP/アフロ)

東京などの大都市部で、新型コロナウイルスの感染者が増加し続けている。新型コロナウイルス感染症は感染症法上の「指定感染症」に指定され、PCR検査で陽性になった人は、症状の軽重にかかわらず、原則として強制措置入院させることとなった。

患者や無症状の人も、検査で2回連続陰性なら、症状が軽快してから最短48時間で退院できる(執筆時現在)。

重症患者を入院させられない

指定感染症の強制措置入院は、感染症拡大防止に効果的な手法とみられていた。しかし、新型コロナウイルスは無症状や軽症患者が多いうえ、感染力が強く感染者が急増するという特徴から、無症状や軽症患者まで長く強制措置入院させると逆に医療崩壊を招くことが懸念された。

検査で2回連続陰性とならないと退院できないために入院患者が増え続け、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れるベッド(病床)の不足と、医療従事者の過労を引き起こした。

退院させられない無症状や軽症患者が病床を埋めていて、重症となり、集中的な治療を必要とする患者を入院させることができなくなっている。こうした状況は東京や大阪でとくに深刻だ。

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