コロナで医療崩壊しかねない日本の医療の弱点

日本の入院日数はOECD平均よりなぜ長いのか

各都道府県の地域医療構想をまとめると、日本全体で2013年に約135万床あった病床は、2025年には約119万床あれば入院需要に応えられるという推計結果になった。つまり、2013年時点の病床は2025年に必要とされる病床と比べて約16万床多いということである。

新型コロナウイルスで病床が不足しているのに、地域医療構想では削減せよというのはおかしいという見方があるが、それはまったくの的外れである。

地域医療構想は一般病床と療養病床についての病床再編であり、そこに感染症や結核、精神病の病床は含まれていない。今不足しているのは、感染症に対応できる病床であって、地域医療構想が対象とする病床ではない。

コロナで病床不足が起きるのはなぜか

今般の病床不足も、病床そのものが足りないというより、病床機能の分化と連携が進んでいなかったことによるものだろう。病床そのものなら、日本全体でもまだ多くある。人口あたりの日本の病床数は諸外国よりも多い。OECD統計によると、日本の人口1000人当たりの病床数は13.1床とOECD加盟国の中で突出して多く、OECD平均は4.7床である。しかも、日本の平均占有率は75.5%にとどまっており、空きベッドもある。

ただ、それが直ちに感染症患者を受け入れられるわけではないところに悩ましさがある。しかも、空きベッドは過疎地域で多く、都市部で少ないという地域的な偏在もある。

2014年に地域医療構想の策定作業が始まったころから、病床機能の分化と連携の推進がずっとうたわれてきた。しかし、2019年度になっても地域医療構想の推進が遅れていると指摘されていた。

地域医療構想というと、関係者の間では「病床削減」のイメージがあるようだが、決してそうではない。大都市部では全体として病床が不足しており、逆に増床を必要とするほどだ。地域医療構想の推進とは、必要な地域での増床や病床機能の分化・連携も含めたものなのである。

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