コロナ後の過剰流動性がもたらすインフレ圧力 無制限の経済対策が生むコロナ後の禍根

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新型コロナウイルスの拡大に伴い、経済は大きな打撃を受けている(写真:Richard A. De Guzman/アフロ)

新型コロナウイルス感染症による経済的打撃は、企業の存続を左右しかねない事態になっている。

政府は積極的に資金繰りを支援しているが、感染拡大防止のための外出自粛などが続くと、企業は売り上げが立たず、組織をどこまで維持するかが問われてくる。

コロナショックと自然災害の違い

緊急事態で経済的に窮した状態になれば、救う対象は企業よりもまずは個人であるのが基本だ。人の命が最優先である。

とはいえ、企業の存在を気にしなくてよいとは言えない。今般のコロナショックへの対応が、大震災などの自然災害への対応と異なるのはその点である。人命に関わる被害や物理的な破壊が起きれば、人命救助と被災者の生活支援が最優先になる。被災地にある企業を救おうにも、物理的な破壊によって直ちに復旧できない場合が多い。

しかし、コロナショックでは、感染拡大防止のために人為的に経済活動を途絶させたわけであって、物理的な破壊が起きたわけではない。しかも、途絶させたくて途絶させたわけではない。したがって、感染収束後に経済活動が回復すれば、直ちに復旧できるはずだ。あたかもコロナショックがなかったかのように、物流は再開するだろう。

それも、企業がコロナショック前の状態に戻れてこそである。現時点でいつまで続くかわからない感染拡大によって経済活動が途絶しても、コロナショック前と同じ状態を保てれば、感染収束後の再開も速やかにできる。しかし、企業の存続が危ぶまれるほどに追い込まれれば、雇用も取引関係もコロナショック前の状態を維持できない。

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