ニューヨーク「コロナ禍」直撃した都市のリアル

在住邦人7人が語る医療、経済、生活、教育

筆者:ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事は「必要不可欠な業種を除く事業体は、可能な限り在宅勤務にすること」「州民は可能な限り自宅待機を行い、不要不急な公共交通機関の使用を控えること」等の要請を出しています。

エリサさん(大学職員):私は今年2月からニューヨーク州立大学に職員として勤めています。ちょうど、大統領選挙の話題が盛んな頃でしたが、3月に入ると急に話題は新型コロナウイルスで持ちきりになりました。

「感染者が出た」とデマが回ったことも

「学内に感染者が出た」とデマが回り、学長が学生・職員へのメールで「事実ではない」と否定する騒動もありました。3月15日に「翌16日からニューヨークの市立校は休校」と決まり、私が働く大学でも、学生は自宅待機となりました。16日は職員だけ出勤するよう言われたのですが、有給休暇を取って自主的に休んだ人が多く、出勤した職員は半分以下。翌日からは、職員もリモートワークに切り替わっています。

アキヨさん(ジュエリーデザイナー・大学教授。家族は夫と10代の息子と娘):私はニューヨークの3つの大学で3Dプログラミングの講義を担当していますが、各校とも、オンライン授業への移行に向けて1週間の準備期間が与えられました。私は、以前から指導用の動画を作ってあったので、特に準備することもなく、Zoomでの授業も問題なく実施できています。

大学での講義と別に、個人でもセミナールームを借りて教えていましたが、こちらもオンラインにしました。今でも「会って習うこと」にこだわる人もいる一方、ニュージーランド、シカゴ、カナダなどからも申し込みがありました。以前も、他州から参加する生徒がいましたが、オンラインだと飛行機代も節約できますし、地球の裏側からも参加できるので、喜んでもらえているはずです。仕事も収入も減って学ぶことに消極的になっている生徒もいますが、私としては、こうしたダウンタイムこそ、新しいスキルを学んでほしいという気持ちがあります。

ユミさん(学生):私は今年1月末からニューヨーク市立のコミュニティ・カレッジ(公立の2年制大学)に通い始めました。学校は3月12日にクローズになりましたが、1週間後にはオンラインクラスが始まり、アメリカのシステムが発達していることに驚いています。

週1回はWebのビデオ会議「Zoom」でクラスメイトに会えますし、勉強方法や進路、生活面での相談は、すべてオンラインでサポートしてもらっています。これらのシステムはすべて無料なので、ありがたいです。ただ、5月からの夏学期がどうなってしまうのかは心配です。

エリサさん(大学職員):中学生の娘は、3月に予定されていた州の学力テストが中止になりました。1日中パジャマで、学校のオンライン授業を受けています。

ナオミさん(国際人材育成会社代表。夫は金融業。乳児も含め3児の母):子どもたちのバレエ、テコンドー、習字、ピアノは、オンラインレッスンで継続できています。スイミングだけお休み中です。ずっと家にいますので、決まった時間に習い事があることで、生活のリズムが整って助かっています。

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