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ニューヨーク「コロナ禍」直撃した都市のリアル 在住邦人7人が語る医療、経済、生活、教育

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  • 鯰 美紀 インタビュアー&ライター
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音大で教えている知人は、給料は変わらないけれど、オンラインレッスンのためにカリキュラムを組み直すなど、仕事量だけ倍増し疲弊しています。ブロードウェイで活躍するアーティストさえも、給与は短期間しか補償されないと聞きました。それでも、ユニオンに所属していれば、失業保険が受給できるので、まだいいほうですね。

最も厳しいのは、どこにも所属していないフリーランスではないでしょうか。音楽の腕だけで仕事を取ってきた職人気質のミュージシャンは、新しいビジネスモデルを考えることも苦手だったりします。才能ある知人が、SNSにこぞって“I am available for private lessons!”(プライベートレッスンも承っております!)とポストしているのを見ると、寂しくなります。

ナオミさん(国際人材育成会社代表):私は、日本の若者たちのニューヨーク研修や留学の支援をしています。3月以降の研修はすべてキャンセル、3月と4月に予定されていた私の講演会もすべてキャンセルとなりました。9月からアメリカ留学が確定していた日本の学生も、今はアメリカの留学生ビザを取得するための面接がストップしているため、渡米できないかもしれません。コンサルの仕事や年間契約からの収入はありますが、私の収入は9割減です。でも、不思議と経済的な不安は感じていません。お金はまた稼げばいいですが、人命のほうが大事ですから。

コロナ感染はひとごとではない!?

筆者:ニューヨークでは、感染が広がるにつれて、「自分は大丈夫」と過信できないことはもちろん、うつさないための行動が重要だという認識が広まってきていますね。

マンションのフロントデスクにも、6フィート(約1.8メートル)以上は近づけない(筆者撮影)

ミギワさん(ピアニスト、コンポーザー、プロデューサー):ミュージシャン仲間で、普段はとても元気で活発な男性が、コロナを発症して、3週間にもわたる壮絶な闘病生活を経験しました。体の中から針で刺されるような痛みがあり、回復しかけたと思ったら、急激に悪化して、呼吸困難に陥ったそうです。若いから大丈夫、既往症がないから大丈夫だと油断できません。

ナツヨさん(プロスピーカー・戦略コンサルタント):先日、とうとう私たちが住むアパートでコロナによる死者が出ました。アパートからはプライバシー保護のため何の報告もありませんでしたが、亡くなったのは有名なミュージシャンだったため、たまたまニュースで知ったのです。その方とは、会えば立ち話をする関係だったので、「こんなに近くまでコロナが来てしまったか」と怖くなりました。

筆者:病床と人工呼吸器の不足が深刻になっています。ニューヨーカーの憩いの場だったセントラルパークでは、3月29日に仮設病院の建設が始まり、68床のベッドが提供されます。30日には、1000床のベッドと12の手術室を備えたアメリカ海軍の病院船「コンフォート」がマンハッタンに到着しました。

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【病院はパンク状態!簡単には診察してもらえない!?】

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