ニューヨーク「コロナ禍」直撃した都市のリアル 在住邦人7人が語る医療、経済、生活、教育

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ユミさん(学生):日本政府の対応にはがっかりしています。高齢者の割合が世界2位のイタリアが苦しんでいる間、世界1位の日本は、何を学んでいたのでしょうか。オリンピック開催は、国民の命よりも大切でしょうか。あいまいな指示では、さらに事態を悪化させてしまう気がしますし、国民も、政府が言うまで動かない受け身な姿勢に見えます。ニューヨークのこの悲惨な状況が、自分の親兄弟や友達が住む日本で繰り返されることがないよう、私の思いを伝え続けたいと思います。

ナオミさん(国際人材育成会社代表):政府や行政からの指示を待っていると、日本もニューヨークのようになってしまう可能性があると思っています。家族や友人たちには、「手遅れになる前に、自分たちで自主的にできることをするしかない」と伝えています。

アキヨさん(ジュエリーデザイナー・大学教授):日本には、リーダーシップをとれる人がおらず、国民の意識がバラバラになってしまっていると感じます。子どもたちの教育が犠牲になっていることも心配です。私の子どもたちは、8時半から3時まで、みっちりオンライン授業を受けています。高齢の先生も、一生懸命オンラインに対応しています。学校もサポートしています。日本の教育現場も、ダブレットが足りないなどのハードルがあるとはいえ、人命の次に大切なのは、教育だという意識で、がんばってほしいと思います。こういうことを言うと「外国かぶれ」と言われてしまいますが。

NYはトップも個人も徹底的に人命優先

ミギワさん(ピアニスト、コンポーザー、プロデューサー): ニューヨークでは、台風、大雨、大雪がくると、州知事の一声で、すぐに学校や劇場、美術館などは閉鎖、道路も封鎖されるので、こちらに来た直後は驚きました。トップも個人も、徹底的に人命優先です。

日本では暴風雨の中、会社員がスーツを濡らしながら出勤していて、かわいそうになります。「上司も出社しているから」ではなく、優先すべきは自分と家族の命です。命を危険にさらして出勤したり、自殺に追い込まれるほど働いたりしなくても、幸せに生きている人が世界にはたくさんいます。自分と家族を徹底して守ることが、周り人やその家族も守る気持ちに繋がり、そこから社会貢献の気持ちは生まれていくのではないでしょうか。

ナツヨさん(プロスピーカー・戦略コンサルタント):SNS上で、「欧米在住の日本人はおおげさ。『日本はのんき』と言われても、日本と欧米は違う」といった書き込みを散見します。でも、ニューヨークも、たった1週間で状況が急変しました。対岸の火事と思わず、1人1人が自分の責任として、とにかく極力外に出ないなど、できることを果たしてほしいと思います。

鯰 美紀 インタビュアー&ライター

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なまず みき / Miki Namazu

兵庫県芦屋市出身、関西学院大学卒。関西経済連合会・国際部に5年間勤務し、結婚を機に退職。ワシントンD.C、北京、東京を経て2018年夏からニューヨーク在住。ライターとして、会社役員からメダリストまで、約3年間で250人以上を取材。企業パンフや専門誌などに幅広く執筆するほか、プロフィール作成等で個人事業主を応援している。公開インタビュアーとしても活動中。http://namazumiki.com

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