ニューヨーク「コロナ禍」直撃した都市のリアル 在住邦人7人が語る医療、経済、生活、教育

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エリサさん(大学職員):私もすでに感染している可能性もありますし、今後も感染は免れないと思います。怖いのは発病しても受け入れてくれる病院がないこと。自宅から最も近いのは、コロナ患者を多数受け入れ、パンク状態だと報道されているエルムハースト病院です。セントラルパークにもテントの病院ができるそうですが、近所のほかの病院でも車道を閉鎖してテントを立てていました。まだ寒いニューヨークで、テントで隔離されるなんて……。ニュースを見るたびに、病院のお世話にならないよう、よく寝て、よく食べて、家にこもるのがいちばんだと思っています。

ナオミさん(国際人材育成会社代表):アメリカ人の夫が1月中旬から風邪をこじらせ、2月半ばに病院に行きました。診察した主治医はコロナを疑ったのですが、アメリカでは感染者がゼロだった時期で、中国への渡航歴もないため、検査対象外でした。3月に入っても回復しないため、「検査をしたい」と言い続け、ニューヨークで検査が始まった3月中旬、やっと検査を受けられました。幸い陰性判定でしたが、「肺炎の可能性があるからレントゲン検査を受けたほうがいい」と言われ、いくつかの病院にアポイントの電話をかけましたが、「陽性の可能性があるからダメ」「救急車で到着する呼吸困難の患者を優先する」という理由で、診察拒否されました。夫は自宅で2週間静養して回復しましたが、「今は医療が受けられない」という噂が現実のものだと知り、本当に不安な時期を過ごしました。

病院にはかかっていないが異様な倦怠感を経験

ミギワさん(ピアニスト、コンポーザー、プロデューサー):実は、私も一時、具合が悪くなりました。「コロナの症状が多様になってきている」と言われ始めたころです。熱も咳もありませんでしたが、今まで体験したことのない異様な倦怠感に襲われました。危ないと感じたときは夕方5時すぎで、ホームドクターのオフィスはクローズ。「ERには、人工呼吸器が必要な状態になるまで行くな」というのは、今やニューヨークの常識ですが、立つことも座ることもできない状態で、どうしたらよいのか途方にくれました。

幸い、知人の日本人医師が、アプリを使ったビデオ診断サービスを紹介してくださったのですが、あまりにもフラフラで、アプリのダウンロードや設定すらできない、文字も打てない状態でした。今は回復し、あれがコロナの症状だったのかは不明ですが、「とにかく元気なうちに、体調が悪くなったときの連絡先や、やるべきことをリスト化する」「異変を感じたら、ベッドのそばにタオル、体温計、水、咳止め、解熱鎮痛剤(ニューヨークの医師は、アセトアミノフェンを有効成分とするものを薦めています)を用意しておく」「1人暮らしなら、近くの友人知人の連絡先を確認しておく」など、備えておくことを強くお勧めします。

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