「フィット」と「ヤリス」実際に乗って驚いた違い

同じ小型車でも方向性が大きく変わった理由

左:ホンダ「フィット HOME」、右トヨタ「ヤリス HYBRID G」(写真:ホンダ、トヨタ自動車)

期せずして同じ2020年2月発売となった、ホンダ新型「フィット」と「ヴィッツ」の後継モデルであるトヨタ「ヤリス」。日本ではともにコンパクトカーと呼ばれるが、両モデルの商品性はまったく違う。

「これほどまでに、違うとは!」というのが、筆者の率直な感想だ。見た目も運転席からの見晴らしも、そして走りもまったく違う。なぜ、そこまで違うのだろうか。

理由は単純で、ホンダとトヨタそれぞれが、まったく別の観点を持って企画したクルマだからだ。

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ホンダとトヨタは、フィットとヤリスについて、2019年10月に行われた「東京モーターショー2020」前後の時期から、技術説明会やプロトタイプ試乗会を実施してきた。

年が明けて2月末、筆者は千葉県の房総半島で行われた公道試乗会でフィットに試乗。ヤリスのほうは、3月上旬に静岡県内で公道試乗会が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を懸念して中止され、広報車を借りての3月後半での個別試乗となった。

2モデルの試乗時期にはタイムラグが生じてしまったため、「体感が薄れて、2モデルの差をはっきり捉えることが難しいのではないか」と心配していた。ところが、時系列でいえば比較試乗の最後となった、ヤリス1.5リッター車を都内で乗ったとき、フィットとヤリスとの商品戦略上の違いをはっきりと感じることができた。

同じBセグコンパクトでも目指すものが違う

一般的なクルマのカテゴリーでは、フィットとヤリスは世界市場におけるBセグメント(小型車)に属する、自動車メーカーにとってボリュームゾーンとなるクルマだ。

だが世界各地では、乗用の小型車、中型車、大型車はそれぞれでSUVシフトが進んでおり、従来型セグメントでの商品群を前提とした小型車の商品企画が難しくなってきている。さらに、欧州CO2規制(欧州グリーンディール政策)に代表される燃費規制等への対応として、メーカーは電動化へのシフトを方針として明確化せざるをえない状況になっている。

こうしたさまざまな要因によって、フィットとヤリスはそれぞれ違う道を歩むことになったといえる。

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