コロナビール「実売値」に見えた風評被害のウソ

日本では販売落ち込む今の時期にむしろ好調

まず見ていただきたいのは、ビール全体の売上数量だ。これは、1店当たりのビールの売上点数を示している。

ビールは、春先の宴会需要、真夏の暑気払い需要、そして年末年始の年越し年明け需要で盛り上がる。前年比で少しの違いはあるものの、ここ2年はほぼ似たような動きだ。

そもそも、ビール業界全体としては、現在(2月から3月)はけっして好調な時期ではない。実際に2019年も2020年も、そのような推移となっている。

これに対して、同期間におけるコロナビールの売上点数を見てみよう。

絶対値は小さいものの、今年2月以降、明らかに売上点数が伸びているとわかる。1店当たりの売上金額で見ても同様で、新型コロナウイルスの騒動と重なる。

大幅に値引きされた様子はなし

念のために、この購買数の急増が、大幅な値引きによるものではないと見ておこう。価格の下落があれば、訴求性が上がり、それが購買につながった可能性も否定できないからだ。

これも結果でいえば、ほとんどコロナビールの平均売価は変化していない。グラフも縦軸をどの単位にするかでだいぶ印象が変わるものだが、非常に小さな幅で見てみても、ほとんどその売価に変化はないと理解できる。

日本でもコロナビールが販売不振であると書いた記事の著者が、どのようなデータを確認したのかがわからない。しかし、私がPOSデータを確認した結果では、むしろコロナビールが好調であると示す内容となった。

仮説であるが、次の3つの可能性が考えられるだろう。

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