コロナ対応に映る「日本と中東」文化の大きな差

デマ医療出回る一方、回復者祝福される国も

内線が続くシリアでは、いまのところ新型コロナウイルスの感染者は確認されていない(写真:REUTERS/Khalil Ashawi)

新型コロナウイルスがイランを主要な感染ルートとして中東地域にも徐々に広がってきた。統治制度が弱く貧困に苦しむ国が少なくない中東諸国は、新型コロナウイルスへの対応でも日本や欧米諸国と比較して文化的な違いが際立っている。政府の対策や対応が笑いのネタにされたり、イスラム教を背景とした摩訶不思議な神学論争や治療法が話題となったりする。

独裁的、権威主義的な体制の多い中東では、断固とした対策の実行によって防疫も可能になりそうだが、例えばイランでは国民の健康よりも政権や権威の維持が優先されている。民衆の多くは、自国政府を常日頃から信用していないうえ、発表される感染の実態を信じる人は少ない。感染拡大に伴って疑心暗鬼に陥り、政権不信が拡大する悪循環に陥っている。

感染するかしないかはインシャアッラー

中東では、人権意識や民度に問題がある国も多く、パレスチナ自治区ラマラでは、日本人女性が「コロナ」とからかわれ、警察沙汰になるケースも伝えられた。エジプトでは、病院のエレベーターでマスクをしていた日本人男性に対し、「中国人だ。一緒にエレベーターに乗りたくない」と逃げていったエジプト人がいたといい、外見だけで判断されて不快な思いをした日本人もいる。新型コロナウイルス発生以前から、現地では道を歩いていただけで「中国人、中国人」とからかわれることも多かった。

新型コロナウイルス対策や人々の意識にも違いがある。 イスラム信徒の間では、人間の寿命は、アッラー(神)によってあらかじめ決定されていると考えている人が多い。このため、濃厚接触を避けるなどの対策を怠ったり、信仰心があればウイルスを寄せ付けないと主張するイスラム聖職者が現れたりする。

感染するかしないかは、インシャアッラー(アッラーの御心のままに)というわけだ。イラク北部のクルド人地域では、「若者たちよ、モスク(イスラム礼拝所)に来れ。モスクの集まりは、疾病の流行とは無縁だ」といった詩がSNS上に流布している。

サウジアラビアに在住する日本人によると、街中で会う人々でマスクをしているのは1割もいない。そもそもマスクが新型コロナウイルスを防ぐ有効性について疑問視する人も多いという事情もある。

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