元阪神タイガース投手の奥村氏は現在、会計ソフトfreeeのアドバイザーも務めており、同社とともにアスリートによる企業をサポートしている。
「起業って、もっとややこしくて複雑だと思っていましたけど、奥村さんやfreeeさんのサポートもあり、非常にスムーズに立ち上げることができました」
2020年2月、水野はクラウドファンディング事業を運営する株式会社BOUKENを立ち上げた。
一歩踏み出すために
無事に起業したとはいえ、そのセカンドキャリアは一歩を踏み出したばかりである。とはいえ、アスリートにとってはこの一歩を踏み出すまでが非常に高いハードルなのである。まず、この一歩を踏み出すまでに何を思考し、どう動いてきたのか。
「僕の場合、ケガが多かったので考える時間が多くありましたし、未練もありません。それは、次に進むためのクッションになったと思います。辞めてからは、とにかく人に会うことに集中しました。とどまらず、とにかく人に会う。そして、聞いたことをすぐに実践する。人に会って、すぐ動く。もっと早く動けたかもしれないと後悔しているくらいなので、動きすぎるくらい動いてもいいと思っています」
プロ野球では、成功することができなかった。しかし、そもそもプロ野球選手になれるほうが奇跡に近い確率である。プロ野球時代に味わった苦悩、葛藤が生きてくるのはこれからだ。そして、社会に出ればもっと大きな荒波にもまれるかもしれない。それでも、この行動力と素直さこそが最大の武器である。プロ野球でかなえられなかった夢を、次の世界でぜひともかなえていってほしい。
次回第4回は、ここまでに登場した森氏、奥村氏、水野氏による対談。それぞれの立場から、セカンドキャリアというものをどう見ているのかを読み解いていく。
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