新型コロナウイルスの感染拡大への各企業の対応を見ると、経営力の差が浮き彫りになっています。採用力も同じで、対応が早く的確な企業と、迷走している企業の差が就活生の目にははっきりと映し出されています。
例えば「コロナなので、説明会と筆記試験を廃止します。エントリーを希望する学生はTwitterの投稿に「採用HPの感想」を30字以内で返信してください。返信をくれた『全員』と面接します!」という企業がありました。
また、TwitterのDM(ダイレクトメッセージ)機能を使って、人事に「何でもいいからDMしてみてね!」という企業もありました。感染拡大に配慮して、SNSを使う発想自体は悪くはないのですが、これを優秀な学生が見たときに確実に本質とのズレを感じ取るでしょう。
インターンシップがより一般化している昨今、2月1日時点で学生の78.7%はすでにエントリーを決めている企業があります(ディスコ調べ)。その一方で、新型コロナウイルスの影響もあり、学生は新しい企業を深く知ることが難しい現状もあります。
私が運営するサービスでは選考とは関係のない1対1でのキャリア面談を実施していますが、キャリア面談を対面と映像のどちらかで選択できる形式で公開したところ、8割が対面を希望しました。言い換えれば、選考に関係のない、ただの就活相談会ですら8割の学生が対面での実施を希望したのです。
学生は就活オンライン化に戸惑っている
これほど就活のオンライン化が叫ばれている世の中でも学生は直接の接点を重要視しています。とくに今は、それが貴重だからということもあるでしょう。
キャリア面談時に学生が聞かせてくれたのは、自分の人間性や熱意が対面と同じように伝わるのかが不安だという声ももちろんありました。しかし、家だとWi-Fi環境が不安定であるという声や、家族の声が気になって集中しづらいなど、もはや学生の努力ではどうしようもない部分もあるようです。
なかには第1志望の会社の映像面接中にWi-Fiが乱れて回復せず、そのまま選考に落ちてしまった学生もいました。学生は当然、自分のオフィスなどを持ち合わせていないので、こういった事態が起きてしまうのは当然と言えるでしょう。
学生の要求だけを優先するならば、オフラインでの採用の形が望ましいでしょう。ただもし、オフラインでやることを決断するのであれば、最大限、感染拡大に配慮する必要があります。
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