「アフリカの人々の主食は何?」と聞かれたとき、ぱっと思い浮かぶのは何でしょうか。
地域により多種多様ですが、トウモロコシやキャッサバなど、さほど肥沃でもなく、乾燥した大地でも育つ作物が原料となるものが大半です。でも、中には、日本と同じくお米を主食とする国もあります。そのひとつが、僕が昨年まで4年間住んでいたセネガルという、西アフリカの国です。
セネガルの代表的な料理は、チェブジェンと呼ばれる魚と野菜の煮込みご飯。独特のダシが効いていて、日本の皆さんにもきっとご支持いただける味だと思っています。
さて、これらの料理の味付けには欠かせないものがあります。それが、調味料であるブイヨンキューブです。どんなブイヨンキューブをどんな割合で混ぜるかが、セネガルの料理人の腕の見せどころなのです。
ブイヨンキューブというと、都会のスーパーでしか売られていない高級品かと思いきや、田舎の貧しい村にいくと、このブイヨンキューブが非常によく売れています。
というのも、魚やお肉や野菜を買うおカネがないような村人たちも、手軽な価格で入手できる魚味や鶏肉味のブイヨンをご飯にまぜれば、いかにも魚やお肉を食べている気持ちになれるから。まさに日本の「エア焼肉」のようなコンセプトです。
こうしたことから、セネガルをはじめとした西アフリカ諸国でのブイヨンの消費量は、年率10%以上で伸長。まさに成長商品なのです。
今日は、こんな売行き快調なブイヨンキューブの会社のお話を通じて、アフリカでのものの売り方、マーケティング事情について、考えてみたいと思います。
市場シェアのデータが存在しない……
さて、このように西アフリカで大ブレーク中のブイヨンキューブの製造会社に、あるとき投資をすることになりました。その会社は、工場の拡大のための設備資金を必要としていました。セネガルの市場も伸びているし、マリやギニア、ブルキナ・ファソなどの近隣諸国への輸出ももっと増やしたい、ということでした。そこで、その資金手当てのために世界銀行が投資をすることになったのです。
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