家電量販各社によれば、現状は台湾メーカーの製品を中心にパソコンの在庫はある。だが、Windows7のサポート終了にともなう買い替え需要が続き、新型コロナ対策としてテレワークを推進する企業も増えており、その結果パソコンの需要が増えて在庫切れが生じている製品が出始めている。
有機ELテレビも供給不安の懸念が高まっている。複数の家電量販幹部によると、有機ELテレビを製造するメーカーの営業員から「4月以降の供給についてはまだ不透明」との説明を受けているという。
中韓の新型肺炎流行でパネル供給に懸念
有機ELテレビはソニーやパナソニックなどが製造しており、今春にはシャープも参入する。使用される大型の有機ELパネルは韓国のLGディスプレイの寡占市場で、大半の国内メーカーもLG製を使用している。LGの有機ELパネル工場は韓国・坡州や中国・広州にあり、中韓両国でも新型肺炎の患者数が増え続け、生産や物流面での影響が懸念されていた。
ただ、今のところ「有機ELパネルの供給に影響が出るとはまだ聞いていない」(国内電機大手のテレビ事業担当幹部)という。家電量販店への営業スタッフも、一部で出ている4月以降の供給懸念について、「家電量販店側が十分な在庫を確保したい中、現場レベルで在庫が少なくなる可能性に言及したのでは」と話す。パナソニック広報は「個別の商談案件については答えられない」としている。
2019年10月の消費増税後には一時的に落ち込んだが、今夏の東京オリンピックを控え、高単価テレビの需要は高原状態にある。JEITA(電子情報技術産業協会)によると、有機ELテレビの国内出荷実績は2019年11月~2020年1月まで、各月とも前年同期比2~6割増で推移している
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