第4の鍵は、3月5日木曜日には新型肺炎に関する大きなニュースが出なかったにもかかわらず、株価が暴落した点だ。
第5の鍵は、5日の暴落前である3月4日水曜日の話だ。株価が暴騰した理由にあげられていることの一つは、ジョー・バイデン氏がスーパーチューズデーで予想以上に勝利し、民主党の大統領候補として復活したことにより、バーニー・サンダース大統領の可能性が低くなった、ということだった。
確かに、サンダース大統領なら株価にはマイナスだ。だが、バイデンの方がドナルド・トランプ大統領に勝てる可能性があるから、という理由でバイデンが勝ったのだから、民主党勝利の可能性が出てくる。そのため、トランプ大統領再選よりは株価にはマイナスであるはずで、それほど明確な株価上昇の理由ではないはずだ。
第6に、FEDが予想外のタイミングで、3月3日火曜日に緊急利下げを行ったのに対して、株価が暴落で反応したことだ。これはなぜか。
これら6つの点を合わせて考えると、答えははっきり見えてくる。
今はアメリカの長期バブルの崩壊局面にある
答えは、新型肺炎による株価暴落が起きているのではなく、アメリカ株式の長期に渡ったバブルが崩壊している、つまり、今は「より長期のバブル崩壊局面」にあり、大局的な転換点にあるからである、ということだ。
まず第1の鍵、あるいは謎に対する答えから行こう。上海市場で暴落とならないのは、上海市場のバブルはすでに2015年に崩壊しており、現在がバブルどころか、バブル崩壊後の底に近い状況であるからだ。だから、崩壊するべきバブルがなく、新型肺炎で一時的に急落したものの、それはまさに買い場であり、底値がさらに一時的なパニックで安くなったのだから買いが入ったのだ。
第2の謎は、アメリカはバブルのピークにあったら、いきなり崩壊してはすべての投資家が大きなダメージを受けるので、売り場を作るために必死でネガティブなニュースを意識的に、あるいは無意識的に無視し、あるいはポジティブなモノと捉えて、くさいものに蓋、あるいは売りポジションを作るための準備をしていた。こう考えれば、これまでの歴史的なバブル崩壊局面と類似性がはっきりする。
2008年のリーマンショックのときも、2007年夏にパリバショックというものが起きて、世界的に債券市場は凍りついていたにもかかわらず、2007年の秋にNYダウ平均は当時の史上最高値を更新したのである。
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