宗教がわかってない人はこの4原則を知らない 何を信じ、礼拝し、服し、目指していくのか

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宗教とは何でしょうか?

ひとまず、「霊や神のような不合理な(非科学的な)存在の働きを前提とする文化の様式」と定義することにします。

もっと簡単に言うと、「霊や神を語る文化」ということです。

宗教すなわち霊や神の「ファンタジー」は、しばしば、信者に対して道徳的訓戒や人生の指針のようなものを提供しています。

どのようなものを前提としているかによって、次のように分けて考えるのが便利です。

①アニミズム………動物や自然物、先祖などの「霊」を信じる
②多神教……………さまざまな権能を帯びた「神々」を礼拝する
③一神教……………宇宙の独裁者である「唯一神」の権威に服する
④悟りの宗教………人生の霊妙な理法を「悟る」ことを目指す

以下で、それぞれについて簡単に説明します。

① アニミズム――霊の信仰

農業が始まったのは1万年ほど前だとされています。数千年かけて農業は各地に広まりましたが、それよりも昔、人類はどこでも獣や魚を獲ったり、木の実を採集したりして暮らしていました。

この時期の人間にとって、自然は人間を包み込む絶対の母胎のようなものでした。人間はただ自然の恵みをいただいて暮らしているのであり、自分たちが自然界の存在よりも優位に立っているなどという自意識は無かったはずです。今日でも、狩猟採集民は森林やジャングルの動物たちと「対等な立場」で暮らしていると言われます。

そんな彼らにとって、動物は人間と同様の意識をもつ存在です。人間どうしが互いに言葉を交わすようにして、彼らは動物とコミュニケートします。動物も植物も霊をもつ存在であり、人間にメッセージを発している。もちろんそれは擬人的な幻想ですが、ちょうどペットを飼っている人が飼っていない人よりも犬や猫の「言語」の理解に長けているように、彼らは動植物の生態を的確につかんでいたと思われます。

自然界に満ちる霊、すなわち目に見えぬ意識的存在を感じながら暮らす文化を、アニミズムと呼びます。アニマとはラテン語で「霊」「魂」のことです。

霊や魂の信仰において、自然の霊と並んでもうひとつ大きな働きをもっているのは、死んだ人間の霊、祖先の霊です。動物霊と祖先の霊がいっしょくたになっている場合もあります。自分の祖先はオオカミだったというように。

葬式や法事にはアニミズム型の文化が生き続けている

儒教というのは、祖先の霊をおまつりする習慣がそのまま歴史時代の宗教にまで成長した宗教です。命日に死者の頭蓋骨を一族の子供などがかぶり、霊の宿る「かたしろ(身代わり)」となります。霊媒師が祈る中、祖先がこうした形で現世に帰ってきて、子孫たちと交わるのです。この頭蓋骨がやがて仮面に代わり、それが名前を書いた板に代わって、今日日本人が仏壇に収めて拝んでいる「位牌」にまで進化しました。これは仏教の形をとった儒教の交霊術の道具であり、儒教の背後には太古のアニミズムが隠れています。

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