新たな私的整理手続き ADR活用急増のワケ

新しい私的整理手続き「事業再生ADR」(裁判外紛争解決手続き)が一躍注目を集めている。日本航空や消費者金融大手のアイフルなど、過剰債務や資金繰りに苦しむ企業を中心に活用が広がっている。

現在、国内で事業再生ADRを営むのは事業再生実務家協会(JATP)のみ。11月18日現在で16社の申請を受理している(うち2件は受理後に取り下げ)。JATPは「想定以上に活用されている」と対応に追われている。

高いハードル 全債権者の同意

債務整理手続きは、法的整理(会社更生法や民事再生法など)と私的整理に分けられる。裁判所が手続きに関与するか否かが大きな違いで、それぞれ「商取引に支障が出る」(法的整理)、「意見がまとまりにくい」(私的整理)などのデメリットがあった。これら欠点を補うため、2007年にADR法が施行され、事業再生の選択肢が広がった。

当初は、十分活用されるか不安視する向きもあった。JATPでは事前相談を受け付け、再生可能性や債権者の同意見込みなどを判断している。だが事前審査を通っても、手続き成立には全債権者の同意が必要となりハードルは高い。この点で、多数決で関係者を拘束することができる法的手続きとは異なる。

このためADRを活用するのは、債権者の数が少なく、再生可能性の比較的高い企業であるとみられていた。だが実際にスタートしてみると、事業再生ADRを利用する上場企業が続出。表のように、判明している企業はマンション分譲からホテル、百貨店まで、業種や企業規模、上場・非上場などさまざまだ。

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