若い人にリベラルな考え方をどう伝えるかが課題
──今日は、次世代のリベラルについて伺いたいと思います。まず先の東京都知事選を、おふたりはどのようにご覧になりましたか。
湯浅:若い人たち、特に20代の4分の1が、田母神俊雄さんに投票しました。若者の投票率は低いので20代全体の6%にすぎない。とはいえ、リベラルな考え方のほうが世の中を良くして発展させていくことを、若い人たちにどういうふうに伝えていくかは大きな課題だ、とあらためて思いました。
──瀬戸内寂聴さんは、脱原発を訴える細川護煕元首相を支持し、応援演説もされました。
瀬戸内:20代の若い人たちは選挙に行っていませんよ。行かなくてもいいと思っているから。選挙権を持っていることの意味がわかっていないの。何であんなところに行かなきゃいけないのって、そういう感じですよ。
自分のことしか考えていなくて、自分以外のものはどうでもいいのね。今の若い人は、自分と世界というものを考えなきゃいけない。世界の中の自分というものを考えるべきだと思いますね。
湯浅:一方で、若い人は仕事もけっこう大変だし、生活に追われていて、「政治に目を向けよう」と言っても、国会や法律が遠く感じてしまうところもあるようです。
瀬戸内:でも、なぜ若い人が貧乏なのかをよく考えないと。給料が安いのは自分が悪いわけではなくて、社会の成り立ちが悪いからでしょう。自分の責任ではなくて、給料をくれるほうが悪いのです。そうやって、どこに原因があるかまで考えないんじゃないかしら。生活に余裕がないのはわかりますけど、お風呂やトイレに入っているときはひとりなんだから、そのときに考えたらいいと思うの。余裕がないというのは言い訳のような気がします。
湯浅:確かに、お風呂やトイレに入る時間は誰にでもありますね。
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