37歳「元格闘家」非正規の彼が結婚に拘らない訳 年収200万円で貯金ゼロ、やりたいことが優先

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

村田さんはたびたび「やりたいことを終えてから」や「落ち着いてから」という言葉を使っていた。いったいいつ、やりたいことを終えるのだろうか。例えば40歳までとか、年齢に区切りをつけておかないといつまでも今の状態のままのような気がして、具体的にいつなのか聞いてみた。

「いつなんでしょう……。でも、僕はイベントだけど役者志望の人とかバンドマンとか、表現の仕方は違っても同じような人はいるんじゃないかと思っています」

先のことはあまり考えていない

村田さんは長男だ。そうすると今後、親の介護なども検討しないといけない時期がやってくる可能性がある。

「親の介護問題は時間が経てば現実化するなとは思いますが、先のことはあまり考えていないです。それに、高校を卒業してすぐに海外に行ってしまったので親も諦めているのだと思います」

村田さんを一言で表すなら自由人だ。しかし、アルバイトを掛け持ちして海外へ行くお金を短期間で貯めたり、すぐに人が辞める厳しい職種のアルバイトを長く続けられたり、大学生活と格闘技を両立したりと、非常に我慢強い面がある。しかもそれを表に出していない。話を聞くまで彼がこんなにタフな面を持ち合わせていることを知らなかった。

氷河期世代の人は苦労している分、強い面を持っている。村田さんは苦労を表に出さず、周りにとらわれずに生きているように思えた。ただ、老後2000万の貯金が必要と言われている現代、彼の今後の行く末はどうなるのか少し心配になった。

今までいろんなタイプの氷河期世代の未婚男性を取材してきた。全員価値観が違い、個性もそれぞれで大変興味深い取材だったと実感している。どの世代も生きやすくなるにはどうすればいいのか。連載は終わってしまうが、今後も取材や考察を続けていきたい。

姫野 桂 フリーライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひめの けい / Kei Himeno

1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをしつつヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れる。現在は週刊誌やWebなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好きすぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナ。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事