若手社員を不調から復活させる「3つの気配り」 「育成のプロ」が直伝する急速リカバリー術

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もちろん、新人の悩みをしっかり聞き、共感してあげることも大切です。ですが、やはりそれだけでは根本的な解決になりません。長い会社生活のなかでは「成果を出すためなら、苦手な人とも、共に働いていかねばならない」ということを学ばせ、覚悟を持たせなければなりません。

人間関係なんて言っていられない状況に追い込む

新人に対して、人間関係ではなく成果に意識を向けさせるために、指導者として知っておいて損はない刺激的なアプローチがあります。それは、「人間関係を意識していられないほどハードな仕事に関わらせる」方法です。

例えばソフトバンク在籍時には、社長案件のプロジェクトとなると、いつも以上にチームワークが発揮されるということがありました。超短納期かつ失敗も許されない土壇場で、チームでもめている暇などまったくないからです。

仲がよかろうが、悪かろうが、協力せざるをえず、みんな必死になって1つのことに向かわざるをえないのです。ですので、チーム内に仲が悪い人同士がいたとしても、そんなことも吹っ飛ぶぐらいの勢いですべてが進んでいきます。そして気づけば成果が出たとき、それをみんなで自然と分かち合える関係になっているのです。

要は、人間関係の問題は、表面的なわだかまりにすぎない場合も多いので、そんなことを気にしていられないほどのハードな仕事を与えるのも1つのアプローチとして「あり」ということです。

島村 公俊 講師ビジョン代表取締役

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しまむら きみとし / Kimitoshi Shimamura

人事コンサルティング会社等を経て、2006年ソフトバンク株式会社(旧ボーダフォン)入社。ソフトバンクユニバーシティの立ち上げに参画。1000人規模の新人研修、累計500人を超える新人指導者のエルダー研修、100人を超える社内講師の育成等に従事。最高の講師の称号「匠」を獲得する。研修の内製化の取り組みでは、ソフトバンクアワードや日本HRチャレンジ大賞優秀賞など国内外で受賞多数。2016年より講師ビジョン株式会社代表取締役として、「人を育て、人を活かす」ことを目的に、OJTトレーナー研修、新人研修、社内講師育成を軸にビジネスを展開している。

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