若手社員を不調から復活させる「3つの気配り」 「育成のプロ」が直伝する急速リカバリー術
ショックが拭えないほどの失敗をしたあとは、自分が無能に思えて仕方がないものです。しかし、単純作業は、手を動かせば動かした分だけ確実に進むわけです。自分で状況をコントロールできる感覚を味わわせ、「自分にできることもある」ことを思い出し、自信を回復させるまでの時間を短縮できます。
また、指導者もすぐに、「もうできたんですね」「報告ありがとう」「助かるよ」などと言えるので、コミュニケーションをとるきっかけにもなります。
気配り3:「人」から「成果」に目を向けさせる
人間関係の悩みは、新人の仕事の効率を下げます。私たち指導者は、新人の人間関係の悩みにより注意を払い、指導することで彼らの仕事の効率アップにつなげられます。
私の経験談を少しお話しします。以前、あるグループ会社向けのプロジェクトで、思うように自分の役割が果たせない時期があり、先輩から毎日厳しく指摘を受けたことがありました。朝起きると「指摘メール」が届いていて、会社に着くとまた怒られるというサイクルが毎日続き、正直言って滅入ってしまっていました。
当時の私は、細かく管理し厳しく指摘するタイプの人がとても苦手でした。このことを別の先輩に相談したところ、しっかりと私の話を聞いてから、私の目を見てこう言ったのです。
「気持ちはわかるが、もっと成果に目を向けなさい」
私は「たしかにそうだな」と思い、小さくうなずきました。初めてのプロジェクトで、グループ会社のことがよくわからず、知識不足の点を細かく突かれたのは明らかに私の努力不足でした。その点は自分でもわかっていたのですが、プロジェクトリーダーは私の知識不足を知っているのだから、もっと丁寧にいろいろ教えるべきだと思っていたのです。
しかし、腹を割って知識不足の現状を説明して、対策を提案する勇気が持てませんでした。「とにかく注意されたくない」「これ以上傷つきたくない」と、毎日逃げ出したい一心でした。
私の例からもわかるように、人間関係を必要以上に気にしすぎる新人には本来の目的である「成果」に、より目を向けさせることが必要です。
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