「優秀な部下」の能力を発揮させる上司の特徴 「天才」を率いるのがそう簡単でない根本理由
天才は人に率いられるのを快く思わない
天才を率いるのが簡単でない理由は、天才が自分の賢さを自覚している点にある。この自信は、見る人によっては傲慢に映るかもしれない。だがほとんどの場合、その賢さは天才のアイデンティティーに関わる。優秀であることは、彼らそのものなのだ。
天才をルールに従わせるのは難しい。彼らは慣習を無視し、独自の思考でロジックを超越することで今の地位を得ている。チームと衝突しようが気にしないし、会社の段取りを踏まずに自分のやり方で問題を解決したがる。リーダーや上司よりも自分のほうがチームの課題をわかっていると考え、リーダーの指示を聞かずに課題の解決に必要なことを行う。
しかし、それではリーダーの立場がなくなる。組織の大半の人はリーダーを尊重するが、天才は自分自身が重要だと思う価値観を尊重する。
要するに、天才は誰かに率いられるのを快く思わないのだ。彼らは、会社にとって自分のほうがリーダーよりも価値があると知っている。肩書や昇進にもめったにこだわらない。彼らの動機は複雑で個人的だからだ。世界じゅうの同好の士と(ワンクリックでつながる)ネットワークを築いていたりする。ごまかしや言いわけが通じる相手でもない。
そのうえ内心、天才は自分自身を非常に厳しく批評している。リーダーのあなたが下す評価よりもずっと厳しく。