「忘れるのが早すぎる」自分を変える簡単なコツ 記憶したいなら、まず6分間目をつぶろう
「忘れないうちに復習するといい」はウソ
人間の記憶には短期記憶と長期記憶の2つの段階があるのはご存じでしょうか。
例えば、本を読み、覚えたと思ってもすぐに忘れてしまうのは、記憶が長期記憶になっていないからです。短期記憶に記憶しても、新しい情報が入ってくるとすぐに忘れてしまいます。
では、どうすれば長期記憶に残りやすくなるのでしょうか。その仕組みについては世界中の脳科学者や心理学者が研究を進め、記憶の流出を防ぐ「復習」のタイミングに関しては答えが出ています。
ベストな復習のタイミングは「忘れた頃に復習すること」です。要するに「あれ、何だっけ?」「ここまで出かかっているんだけど……」という瞬間がベストなタイミング。長らく「忘れないうちに復習するといい」とされてきましたが、これは間違いでした。
忘れないうちの復習は、短期記憶を何回も何回も繰り返しているだけ。そのときはしっかり覚えたように感じても、長期記憶への定着は進んでいないのですぐに忘れてしまいます。
一方、忘れかけたときに復習すると「生存に関わる重要な情報を優先して記憶する」という脳の性質が働きます。そのとき生まれる、口惜しい、もどかしいという「強い感情」が記憶のキーになります。「わざわざ思い出そうとしている=重要な情報に違いない」と長期記憶に定着しやすくなる、というわけです。
つまり、タイミングよく復習をし、思い出す作業=「想起」を行うことが脳と感情への刺激となり、記憶の定着につながるのです。