「臭いやすい汗」をかく人に欠けている訓練

あなたの汗はサラサラ、それともベトベト?

できれば汗はかきたくない、と言う人は多いと思いますが、汗をかくことがなぜ大切なのか解説していきます(写真:rainmaker/PIXTA)  
少しずつ暖かくなってきて、厚着をしたり、ちょっと走ったりすると汗ばむ瞬間が増えてきました。そんなときなんとなく汗が臭う、と感じるときはありませんか? それはひょっとしたら「ちゃんと汗をかく訓練」ができていないからかもしれません。『ぜんぶ毛包(もうほう)のせい。 薄毛・AGA ニキビ ヒゲ・体毛 ニオイ 汗』著者で皮膚科医の花房火月氏が解説します。

散歩している犬を見ると、舌を出して「ハァハァ」と呼吸をしているのがわかります。犬のエクリン汗腺があるのは足の裏くらいなので、発汗によって体温調節ができないんですね。そのため、ハァハァと呼吸するパンディングによって舌や口の中の水分を蒸発させることで体温を下げているのです。

犬のように少々の汗をかく動物はいますが、人間のように体温調節ができるほど発汗できる動物はあまりいないよう。探してみたら……いました! 馬です。馬は、人間と同じく全身に汗をかくことで体温調節をしています。全身が体毛で覆われていますが、汗が体毛にジャマされることなく表面に広がるので、蒸発するときに熱を奪う気化熱の作用がしっかり働くんです。

競馬ファンや乗馬経験者の中には、「汗の状態で馬のコンディションを見極める」なんていう通の人もいるかもしれませんね。

そんな馬の発汗機能は人間と異なる点も多くて、なかなかオモシロいんですよ。例えば、馬は全身に分布しているアポクリン汗腺から汗が出るとか、気温が高いことに対して発汗するのではなく、運動による体温上昇を抑えるために汗をかくとか。今回は、お馬さんの話ではないので、ここらへんでやめておきましょう。

汗が出るメカニズム

さて、私たち人間の汗の話。汗が出るメカニズムは、ちょっと複雑です。

ざっくりいうと、血管から血液の成分を受けとって濾過し、汗の成分だけを体外に放出する、ということになります。汗の原料は血液なんですね。

詳しく説明すると……。体温調節や精神的な影響などによって「汗を出せ」との命令が脳から出されると、自律神経の1つである交感神経の末端からアセチルコリンという神経伝達物質を分泌します。それが汗腺の受容体にくっつくと、血液内の血漿(けっしょう:赤血球などを取り除いた成分)から汗のもとをつくりだします。

ここから汗腺の導管部を通る過程で、ミネラルなどを再吸収(濾過)しながら皮膚の表面へたどり着き、最終的に汗として放出されるのです。

次ページ再吸収する機能が不十分だと…
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