「臭いやすい汗」をかく人に欠けている訓練 あなたの汗はサラサラ、それともベトベト?

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●多汗症

汗に関する病気で代表的なのが「多汗症」。文字どおり、汗が極端に多い症状です。

重症例では、学校で試験を受けているときに、手のひらの汗で試験用紙が破れてしまって記入できないという人。また、足の裏の汗のせいで、靴の中がビショビショに濡れてしまうという人。ワキの下の汗があまりに多く出て困るという人もいます。

このように、特定の部位に汗が増える場合を「局所多汗症」と言います。症状がよく見られる部位は、手のひら、足の裏、ワキの下、頭部。発症する年齢は平均25歳で、12歳以下は少なく、高齢者も少ないとされています。

これに対して、全身の汗が増える「全身性多汗症」があります。

どちらの原因も、ほかの病気や薬剤の影響で発症する続発性と、原因がわからない原発性に分けられます。続発性多汗症の原因としては、文末の表に挙げた病気などが隠れている可能性もあります。気になる人は「ただの汗っかき」として片づけず、病院へ行って医師に相談するといいでしょう。

汗が出ない・少ないと体温調節がうまくできず危険

●無汗症

一方、汗が出ない、あるいは極端に汗が少ない状態を「無汗症」と言います。

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通常だと、高温環境や運動などによって発汗するものですが、そういうシチュエーションでも発汗しない、あるいは発汗が少ないのです。完全に汗が出ないケースは、非常にまれだといっていいでしょう。

でも、汗の量が少ない人はけっこう多く、それによる疾患として最も有名なのがアトピー性皮膚炎。皮膚に炎症があるから汗腺が閉塞して汗が出にくいのか、あるいは、汗が少ないから肌が乾燥してアトピーを発症しているのか、どちらが先かは言いきれないんです。実際のところ、どちらもあるので。

汗が出ないケースも、あるいは汗が少ないケースも、体温調節が適切にできないので、熱中症になりやすく、非常にキケンです。病院へ行って受診することをおススメします。

■続発性多汗症の原因
全身性:薬剤性、薬物乱用、循環器疾患、呼吸不全、感染症、悪性腫瘍、内分泌・代謝疾患(甲状腺機能亢進症、低血糖、褐色細胞腫、末端肥大症、カルチノイド腫瘍)、神経学的疾患(パーキンソン病)
局所性:脳梗塞、末梢神経障害、中枢または末梢神経障害による無汗から起こる他部位での代償性発汗(脳梗塞、脊椎損傷、神経障害、Ross syndrome)、Frey症候群、gustatory sweating、エクリン母斑、不安障害、片側性局所性多汗(神経障害、腫瘍など)
花房 火月 はなふさ皮膚科院長

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はなふさひづき / Hizuki Hanafusa

2006年東京大学医学部医学科卒業後、がん研有明病院や東京大学医学部附属病院、NTT東日本関東病院などでの研修を経て、東京大学医学部附属病院皮膚科・皮膚光線レーザー科・助教。2011年に三鷹はなふさ皮膚科を開設。その後、新座、国分寺、久我山、志木に。2020年2月には大宮院を開院。難治性の皮膚疾患をはじめ、薄毛、シミ・シワなどの美容皮膚科分野まで取り組む。

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