「交際経験がない」20代男性は約4割という現実 「恋人は欲しいが、今はいない」理由TOP3は?
では、恋愛に対する意識はどうか。恋人が欲しい、欲しくないの「意欲」、恋人ができる、できないの「結果」、この2つの視点から見ていく。
まずは「意欲」だが、現在恋人のいない20代から40代の未婚者男女において、「恋人が欲しい」と考えている人は約56%であり、「欲しくない人」は約21%であった。欲しくない理由については「1人のほうが気楽だから」が最も高い。
「交際するのが怖い!」
この背景には、今の社会的な変化があるのではないだろうか。近年では相対的な正解よりも、絶対的な個人の納得が判断軸となり、多様な生き方が認められ、自立をベースとした「個」の時代になった。またその中でも、恋愛は、自分だけでハンドリングできることは少なく、結果は状況や相手によって変わり、明確になりにくい。非合理的な活動であり今の合理的な社会では、フィットしにくい人たちもいるだろう。
さらに年代別に恋人が欲しくない理由を見ていくと、現在の若者の特性も見てとれる。20代で突出して割合が高い項目は「交際するのが怖いから」だ。40代が6.5%、30代が11.6%に対して20代は22.9%とその数字は顕著だ。もちろん年齢が上がることにより交際への経験値が増えることで意識が変化する可能性を考慮したとしても、20代が「リスク」に対して敏感で、どこか失敗することを恐れていることも見えてくる。
高度経済成長やバブルのような社会的にわかりやすい成長を体験することなく、経済的にも政治的にも自然環境的にも不安定さがある中で生きている年代にとって「安定」は価値である。
加えて、昨今のSNSをはじめとした個人が簡単につながることができ、その内容がオンライン上にストックされてしまうと、1度失敗しただけでもその結果がいつまでもそこに残ってしまう。このように、自身のコミュニティ内で容易に情報は共有される中、より一層「リスク」に敏感になってしまうのだろう。
次に、「意欲」と「結果」を掛け合わせて「恋人は欲しいが、今はいない」という人を見ていく。
理由のトップは「出会いがない」であり、その割合は半数を超えている。欲しいという気持ちはあるが出会いがない、という状況を俯瞰してみると、彼らは「自分がいいと思える人と出会う機会がない」と感じていることがわかる。昨今、婚活サービスが急激に拡大しているのは、このような状況の中、自分の条件で効率的に相手を探し、出会える機会を提供している仕組みが広がったことが背景にあるだろう。