第3回(最終回) 起業という選択肢もある

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質問7 経産官僚になる方法を教えてください。

公務員試験に合格する必要がありますが、その後の面接が非常に重要です。私は採用担当ではないので、以下はそのことを割り引いて読んでください。

経済産業省では、試験の出来や学校の成績で採用を決めているわけではなく、面接による人物本位で決める傾向が高いです。

いろいろな物事を多く知っているというよりも、ある事象に対して、どのように考えるかという思考ロジックを重視しています。また、ダイバーシティの観点から個性ある人材を採用します。ある人は、経産省に採用された新入職員を見て、動物園のようだねと言っていました。

すこし昔の通産省時代の話になるのですが、左手にヘラルドトリビューンを持ち、ひげを生やし、三つ揃えを着て、右手にステッキを持ち、シルクハットをかぶって面接に受けに来た人がいました。その人も採用されました。

これは特殊な例ですが、経産省では、従来の枠にはまらない人でも、将来性を買って採用する例もたくさんあります。だからと言って、めだちたがり屋だけではだめですが・・・。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。

就職活動をされている皆さんが、一人でも多く、希望にマッチした仕事を見つけ、生き生きと働くことができるのを願っています。(了)

中村 吉明 九州工業大学客員教授

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なかむら よしあき / Nakamura Yoshaiaki

1987年早稲田大学大学院修士課程(建設工学)修了。同年通商産業省(現・経済産業省)入省。以後、イノベーションや産学官連携などの実務と理論研究に携わる。この間、1996年にスタンフォード大学大学院留学(経済工学修士)。2001年に東京工業大学にて経営工学専攻の博士号取得。経済産業省立地環境整備課長を経て、現在、産業技術総合研究所企画副本部長、九州工業大学客員教授などを務める。
著書に『これから5年の競争地図』『日本の水ビジネス』『ゲームが変わった』(以上、東洋経済新報社)など。

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