第3回(最終回) 起業という選択肢もある
質問6 自分で会社を興すのは難しいですか?
私がアメリカのスタンフォード大学に留学していたとき(18年も前になりますが、)、アメリカの友人に、帰国後の勤務先を聞かれて、「元いた職場に戻る」と答えたら、目を丸くして驚かれました。
彼からすれば、大学院へ行ってスキルを上げたのだから、元の場所に戻るのではなくて、よりステップ・アップした職場に転職するのだろうと考えていたのでしょう。
シリコンバレーでは、卒業後のいちばんの理想は起業すること、次に、自分の能力を発揮できる企業に勤めることでした。そこには、大企業、ベンチャー企業の区別はありません。このような状況は今も変わらないと思います。
一方、今の日本はどうでしょうか。大学を卒業して、起業したり、一定の勤務経験後、起業するということも以前より若干ですが増えてきました。しかし、相変わらず、大企業に就職したり、大企業に勤務し続けることが多いようです。
ただ、以前に比べると、起業のハードルは確実に下がっています。
私の本にも書きましたが、クラウドファンディングやクラウドソーシングなどの仕組みできて、自分で資金や人材を抱え込まなくても、創業しやすくなっています。また、やりがいを求めてソーシャル・ビジネスを始める人も出てきています。
ソーシャル・ビジネスというのは、社会的な課題を解決するビジネスです。例えば、テレビなどで紹介されて有名になった、徳島県上勝町の高齢者が中心となって葉っぱや草花を「つまもの」として出荷する事業も、ソーシャル・ビジネスの一つです。
アベノミクスの一環として、経産省としてもそういう流れを応援しています。例えば、起業・創業を行う女性や若者に対して経費の一部を補助する事業を実施しています。詳しくは、次のサイトを見てください。
http://www.smrj.go.jp/utility/offer/075939.html
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