新型肺炎「日本経済」はどんな悪影響を受けるか

消費や生産を停滞させ金融市場混乱の可能性も

日本国内でもマスク不足が指摘され、消費活動に影響が出始めている(撮影:今井 康一)

1日に4000人の新たな感染者が出てくるなど、新型コロナウイルスによる感染拡大が世界中を混乱に陥れている。今後、中国湖北省武漢市では15万~20万人の感染者が出てくるというシミュレーションもある。

2002~2003年にかけて発生した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」がよく引き合いに出されるが、すでにSARSの感染者数を上回っており、ここ1~2週間でこの感染爆発がどうなるのか……。おそらく誰にもわかっていないはずだ。

そんな中でIMF(国際通貨基金)が、世界の中央銀行に「2020年も引き続き金融拡大を継続する」ように求めるなど、経済や金融市場に与える影響が懸念されるようになってきた。 もともと2020年は、2018~2019年にかけて低迷していた景気がようやく回復の兆しを見せてきた。今回の新型肺炎はそんな背景から出てきた。

中国の中央銀行に当たる「中国人民銀行」は、春節が終わった2月3日に金融市場に1兆2000億元(約18兆7000億円)を供給すると発表。1日の公開市場オペとしては異例の規模で、経済や金融市場への悪影響を緩和する目的があるようだ。

新型肺炎による感染爆発がこのまま続いたとき、世界経済はどうなるのか――。また日本経済への影響はどの程度なのか――。消費への懸念や金融マーケットへの影響などさまざまな視点から考えてみたい。

感染爆発は「一過性」かもしれないが「経済」は別?

新型コロナウイルスによる感染爆発を、この段階で「世界的な感染拡大=パンデミック」と断定してしまうのは時期尚早だが、未症状の人にも感染能力がある今回の新型コロナウイルスは、パンデミックに陥る可能性が指摘されている。

実際、人類はこれまでさまざまな感染症と対決してきた。その都度、大きな曲がり角を経験してきた。例えば、これまで人類が経験してきたパンデミックには次のようなものがある。

黒死病……14世紀、ペスト。当時、欧州の半分前後の生命を奪ったとされる
天然痘……16世紀、コロンブスのアメリカ大陸発見によって免疫を持たない先住民のあいだに流行した。アステカ帝国やインカ帝国滅亡の原因になったと言われている
コレラ……19~20世紀にかけて地域を変えながら7回、大流行したと言われている
スペインかぜ……1918~1919年。インフルエンザの一種だが、第1次世界大戦中に大流行し戦争の終結を早めたとも言われている。推定死亡者数は2500万人以上
HIV……エイズ、1980年代前半、先天性免疫不全症候群とも呼ばれて、アフリカ諸国を中心に大流行した
SARS……2002年11月~2003年8月、香港や北京を中心に8096人が感染。37カ国で774人が死亡
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