新型肺炎「日本経済」はどんな悪影響を受けるか 消費や生産を停滞させ金融市場混乱の可能性も

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さらに、金融市場の歪みを示す指標に「SKEW(スキュー)指数」というのがある。同様にCBOEで算出されている指数でS&P500を対象に、オプション取引での市場の歪み(SKEW)を数値化したものだ。

オプション取引の買う権利(コール)に対して、売る権利(プット)のバランスを見るもの。金融市場の需給バランスの度合いを測ることができる。いずれも、Googleなどで検索すればチェックできる。どちらも金融市場で何かがあれば、数値がポンッと跳ね上がる。

ちなみに、 株式市場が暴落すれば円高が進むことになるが、これは日本の国内の投資家が海外の資産を売却して円に戻すために、円買いが集中して円高になるからだ。この数値も CBOEの「円VIX(JYVIX)」という数値を見ることで、投資家心理の状況が予測できる。いわゆる「通貨 VIX」 と呼ばれるものだが、この数値が跳ね上がれば円高が進むことになると考えていい。

金融危機の到来は「遅れて、増幅されてやってくる」?

いずれにしても、新型コロナウイルスの感染拡大は、現在まだ途上であり、日本での感染者もまだ数少ない。今のところ、経済的な面で本気で心配したいのは中国の急速な景気減速。そうなれば、世界の製造業の供給不足を伴うことになる。

日本の景気減速も避けられないはずだ。感染拡大が収束するのは4月から5月と言われているが、そこまで続けば株価は大きく下落し、金融市場のバブルが崩壊する可能性は低くない。

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そうなれば、政治の世界にも大きな影響を与えそうだ。株価が高いからこそ政権を維持できている国が、日本やアメリカ以外にも世界中至る所にある。株価暴落は、政治の世界にも大きなインパクトをもたらすはずだ。

これまでアメリカの好景気に支えられて世界は潤ってきたが、パンデミックにまで感染が拡大すれば、アメリカの景気も吹き飛ぶ。覚悟や準備はしておくに越したことはない。金融危機の到来は、その原因となるイベントよりも「遅くなり、そして増幅されてやってくる」ということを、人類は過去何度も経験してきた。

岩崎 博充 経済ジャーナリスト

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いわさき ひろみつ / Hiromitsu Iwasaki

雑誌編集者等を経て1982年に独立し、経済、金融などのジャンルに特化したフリーのライター集団「ライトルーム」を設立。雑誌、新聞、単行本などで執筆活動を行うほか、テレビ、ラジオ等のコメンテーターとしても活動している。『老後破綻 改訂版』(廣済堂出版)、『日本人が知らなかったリスクマネー入門』(翔泳社)、『「老後」プアから身をかわす 50歳でも間に合う女の老後サバイバルマネープラン! 』(主婦の友インフォス情報社)など著書多数。
 

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