新型肺炎「日本経済」はどんな悪影響を受けるか 消費や生産を停滞させ金融市場混乱の可能性も

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信用デリバティブのセクターは、リーマンショックから10年を経過した現在も復活しており、経営不安がささやかれているドイツ銀行はCDSなどの信用市場で75兆ドルもの危険なデリバティブを抱えているとして話題になった。

100年に1度と言われたリーマンショックの経済破綻は、信用不安から市場に出回る資金がショートして、リーマン・ブラザーズが破綻したが、同様の事態が新型コロナウイルスによるパンデミックという形で再現しないとも限らない。

さらに、リーマンショックはその2年後のギリシャショックという形で金利が上昇して「デフォルト(債務不履行)」懸念となって表れた。現在の感染爆発が終息した後でも、金融市場のリスクはそのまま残る可能性があることを忘れてはならない。

VIX指数やSKEW指数で危機を事前に察知する方法も

さて、問題は日本への影響だが、2月6日現在、中国以外の感染者数では日本は香港を抜いてトップになっている。日本と中国の密接な関係を考えれば当然の結果ともいえるが、中国の工場や販売経路に頼っている日本企業が多いことを考えると、アメリカのように中国との人的交流を遮断するといった思い切った政策は取れないかもしれない。

日本でマスクが不足しているのも、日本のマスクの多くが中国で生産されたものだからだ。新型肺炎の感染拡大が長引けば、マスク以外にも不足するような製品が出てくるかもしれない。我々日本人の生活は「Made in China」で満ち溢れている。

経済もそうだが、我々の日常生活への影響も相当大きなものがあると覚悟しておいたほうがいいだろう。状況次第によっては、自分の資産を守る行動に出たほうがいいかもしれない。そんなときに金融マーケットが安定しているのか、不安定になっているのか……。判断できる手段があると便利だ。ちょっと難しいかもしれないが、まったく方法がないわけでもない。

例えば、アメリカのシカゴ・オプション取引(CBOE)が算出している「VIX(Voratility Index)指数」という指標がある。アメリカの代表的な株価指数である「S&P500」のオプション取引を基に算出されるもので、数値が高くなればなるほど投資家心理が悪化していることがわかる。別名「恐怖指数」とも呼ばれるものだ。

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