「働いている風おじさん」の何とも難しい扱い方 働かないおじさんよりも実は厄介な存在だ

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問題は③の組織の生産性を下げる「いないほうがいい人」である。つまり「働かない」わけではないが、ほとんど付加価値を会社にもたらさない。それどころかいないほうが、組織が活性化する中高年が一番厄介な存在なのである。

彼らは見た感じは「働いている」。しかも一所懸命に働いている風(ふう)なのだ。それにもかかわらず、いなくてもいいどころか、いないほうがいいのである。私は彼らを「50G(フィフティージー)」と呼んでいる。「50G」とは、50代という年齢と世代(ジェネレーション)、そして年老いた男性(ジー)を掛け合わせた造語だ(もちろん、次世代通信技術の「5G(ファイブジー)」からインスピレーションを受けた言葉だということは記しておく)。

現場を考えず部下にたくさん指示を出す

次世代通信技術の5Gは「超高速」「超低遅延」などが特徴だ。しかし50Gは反対に、「超低速」「超高遅延」。意思決定が驚くほど遅く、過去に経験したことがないことは否定したがる。一方で、今時の50代は若い。意外と元気だし、体力もあるのだ。だから企業側は困っているのだ。

先日も、ある支援先で、「部長、最近、顔色いいですね」と私が言うと、「スポーツジムに通い始めたんです。調子がいいですよ」と笑われた。見た目も発言も、老害とかには当てはまらない。

夜遅くまで働けるし、休日出勤もまったく問題ない。ただし「来週の月曜、朝7時からミーティングだ」とか、「明日の夜、8時から会議をする。課長は全員、参加するように」などと言い、会議はするし、資料は作るし、メールは出すしで、組織を引っ掻き回す。だからといって、会議でもまったくなにも決めようとしない。

粘土をこねくり回しているだけで、一向に形ができない。そんな感じのことばかりやっている50代のおじさんたちが結構いるのだ。

あるクライアント企業では、ミドルマネジャーのほとんどが「総労働時間対会議時間比率」が80%を超えており、私は驚いてしまった。朝から晩まで会議に明け暮れ、現場のことをまったく把握せず、部下にあれやこれやと指示する50Gばかりだったからだ。

こんな会社ばかりではないだろうが、50Gは組織の1%にはとどまらないだろう。つまり、「働かないおじさん」よりは格段に多いはずだ。

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