「論語」の教えがグサグサと胸に刺さりまくる 2500年読み継がれる最強ビジネス書の魅力

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
偉大な経営者に敬愛され続けることばが詰まっています(イラスト:cooltree/PIXTA)
2500年前に書かれたとされる『論語』は、数多くの政治家、経営者、学者、思想家……長きにわたって各界のリーダーたちに影響を与えてきた。その魅力とは何か?
2500年前の『論語』だからこそ学べる人間の本質」(2020年2月11日配信)に続いて、高橋源一郎氏による『論語』の完全版現代語訳『一億三千万人のための『論語』教室』から、普遍的な人間の本質、身と心の正し方への言及が多い「衛霊公」(えいれいこう)の後半部分を公開する。

他人の目や評判ばかり気にするべからず

子曰く、君子は能(よ)くするなきを病(うれ)え、人の己れを知らざるを病えざるなり。

「あなたたちが気を遣わなければならないのは、自分には能力があるかどうか、ないとしたら、どうやって培(つちか)っていけばいいのか、ということです。でも、実際には、そうではないですよね。『ああ、誰も俺を認めてくれない』とか、他人の目や評判ばかり気になってるでしょう。そういう人は『君子』とは無縁です!」

子曰く、君子は世を没して名の称せられざるを疾(や)む。

「どんなに優れた人間でも生きている間に評価されないことは多いのです。だから、気に病むことはありません。けれど、死んだ後も、やはり評価されないということになると、ちょっとそれは問題ですね」

子曰く、君子はこれを己に求め、小人(しょうじん)はこれを人に求む。

「つまらないことだと思うかもしれませんが、心して聞いてください。あなたたちがなにかをして、その結果がどのようなものであっても、すべては自分の責任だと思うようにしてください。その思いが、あなたを成長させてくれるはずです。

決して、責任を他人に転嫁(てんか)しないように。うまくいかなかったのはあいつのせいだ、あいつが邪魔したからだ、あいつがいなかったら、あいつがあんなことをしなかったら、きっとうまくいったのに。そう思ったとき、あなたは、あなたの成長を止めている真の原因を知ることができなくなってしまうのですから」

子曰く、君子は矜(ほこ)りて争わず、群して党せず。

「あなたたちに言いたいことはほかにもあります。プライドをもって生きてください。あなたたちのやることの多くは理解されないこともあります。それを支えるのは、あなた自身、あなたのプライドなのですから。

けれども、プライドは孤立を意味しません。あなたは、ほかの人たちともうまくやっていかなければなりません。無意味に争う必要はないのです。ほかの人たちのいいところを見つけなさい。そこに、もうひとりのあなたがいるのですから。だからといって、安易に仲間になってはなりません。孤独の寂しさは、ときに、過剰な信頼をもたらします。気をつけてください。本当の友人と、ただことばの表面だけでつながる友人とがいるのです」

次ページことばに敏感に
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事