「論語」の教えがグサグサと胸に刺さりまくる 2500年読み継がれる最強ビジネス書の魅力

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子曰く、吾れ嘗(かつ)て終日食らわず、終夜寝(い)ねずして、以て思うも益なし。学ぶに如(し)かざるなり。

「恥ずかしい話をしましょう。わたしがまだ若かった頃、1日、何も食べず、また一晩中眠らず、ずっとあることを考えていたことがあります。それがどんなことなのかは重要ではありません。わたしはただひたすら考えていました。いっぱしの哲学者のように。いま思えば、わたしはただ酔っていたのです。なにかを『深く』考えている自分に、です。

けれども、そこでわたしが得たものは何もありませんでした。わたしが考えて届かなかった『真理』はみんな、本の中に書いてありました。わたしは、自分の小さな城、その迷宮の中をうろつくことを思索だと勘違いしていたのです」

子曰く、君子は道を謀(はか)りて食を謀らず。耕すや、餧(いい)其の中に在り。学ぶや、禄(ろく)其の中に在り。君子は道を憂え、貧なるを憂えず。

「わたしたち『真理』を極めようとする学徒は、衣食について心を惑わしてはいけません。もちろん、生きるためにはお金が必要です。わたしたちは人間であって仙人ではないのですから。

けれども、最初に衣食があるのではありません。順番を間違えてはならないのです。農民は、まず耕します。それが、彼らの生きる道だからです。そして、そののちに収穫があるのです。わたしたちもまた、まず学ぶのです。それがすべての始まりです。それ以外のすべては、そのあとに付いて来るのです。学ぶことの困難さを嘆いてください。どうか、自分の貧しさを嘆かないでください」

強い信念がなければ信頼は得られない

子曰く、知これに及ぶも、仁もてこれを守る能わざれば、これを得と雖(いえど)も、必ずこれを失う。知これに及び、仁もて能くこれを守るも、荘にして以てこれに涖(のぞ)まざれば、民敬せず。知これに及び、仁もて能くこれを守り、荘にして以てこれに涖むも、これを動かすに礼を以てせざれば、未だ善からざるなり。

「政治家というものにとっても、もちろん、『知』は大切です。けれども、どんなに優秀な頭脳を持っていても、なんでも知っていても、思いやりや気配りに欠けていたら、その地位を失うでしょう。

でも、優秀な頭脳と思いやりがあっても、どんなときにも変わらぬ強い信念がなければ、人びとの信頼を得ることはできないでしょう。明晰(めいせき)で思いやりがあり、しかも強い信念の持ち主でも、厳しいルールを守り、守らせることができないなら、優れた政治家とはいえないのです」

(センセイ、そんな政治家、現実に存在するんでしょうか……)

子曰く、君子は小知せしむべからずして、大受せしむべきなり。小人は大受せしむべからずして、小知せしむべきなり。

「なにごとも枝葉末節(しようまっせつ)にこだわらないでください。本当に大切なことはなんなのかを考えてください。そのためには、全体を見通さなければなりません。それは本当に難しいことです。あなたたちがやるべきなのは、そのことです。つまらぬことにこだわる人はほかにたくさんいるのですから」

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