「ロッキー/ライズ」実際に乗ってわかった実力 使い勝手は高いが「煮詰め不足」が気になる

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コンパクトクラスのユーザーはコストを重視する傾向が強く、これまでは割高なSUVには目が向きにくかった面はあるように思うが、それを上回るSUVの魅力を多くのユーザーが見いだしたのだろう。

ロッキー/ライズは、全長3995mm×全幅1695mmの5ナンバーサイズだ。「コンパクト」と形容されるSUVはいくつかあるが、全長が4mを切り、全幅も1.7m未満というサイズのSUVは、ほかにあまり心当たりがない。

それでいて、全体的にスクエアな形状とされたロッキー/ライズは実際のサイズよりも大きく見える。

最小回転半径4.9mで小回り抜群

視覚的に大きく見えるだけでなく、車内も外見から想像するよりずっと広い。すべてのガラスウインドウの面積が広く角度も立っているので、頭まわりも開放的だ。

後席も、頭上やひざ前など各部のクリアランスも十分に確保されていて、足元にも余裕がある。2段階のリクライニング機構も付く。さすがにエアコン送風口はないが、USBソケットが2口あるのは重宝しそうだ。

2WD車のラゲッジルームはアンダーフロアが低くえぐられた形状になっている(筆者撮影)

ラゲッジスペースも広い。デッキボードを上段にすると369リットルで、その状態でも十分なのだが、下段にすると449リットルまで拡大できる。

さらに、その下のアンダーラゲッジが、2WD車ではフロアが低くまでえぐられていて驚いた。積載性もかなりのものだ。ダイハツの開発関係者が、ロッキーについて「小は大を兼ねる」と表現していたのもうなずける。

コンパクトクラスらしからぬSUVとしての利便性をしっかり持ち合わせていながら、コンパトカーのように小回りが利いて、扱いやすいところもこのクルマならでは。

一般的に大径タイヤを履くSUVは小回り性に劣るが、ロッキーの17インチホイール仕様で5.0m、16インチ仕様なら4.9mという最小回転半径を実現したことは、大きな特長のひとつだろう。前輪がどれぐらい切れているのかを車内のディスプレイで確認できるのも便利だ。

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